福島学トークショーin南相馬に行ってきました。

先日、7/20(月)に坪倉正治先生と「はじめての福島学」著者開沼博先生の福島学トークショーを聞きに南相馬に行ってきました。https://www.minpo.jp/news/detail/2015072124204大雑把ですが、当日お聞きしたお話の様子をまとめておきます。お話してくださった番場様、坪倉先生、開沼先生どうもありがとうございました。



トークショーに入る前に、スライドを使ったお二人のそれぞれ自己紹介のオープニングトークをお聞きしました。

●開沼先生
 ・社会学の調査→量的調査、質的調査の2種類をしている。
 ・福島大学の「うつくしまふくしま未来支援センター」 地域復興支援担当,
   センター特任研究員として、福島のスタディツアーや福島学カフェの企画を継続して行っている。

Q&Aクイズ形式で色々とお話しました。

■人口のQ. 福島で避難による人口流出は何%?→約2%
 →2014年のインターネット調査では約24%と回答する人が多かった。
  ・人口増減率は震災前水準に戻りつつある。
   拠点的地域への人口集中でいわき、郡山など地価高騰している。

■農業のQ. 米の収穫量の回復は?法定基準値を超えた米袋の数は?
     →2010年では44万5700t→2013年に38万tに回復
          →2014年に基準値超えした米袋は0(一袋出た情報も?)
        欧米の基準値は1200Bq。
     →その反面、米を含めた福島の農産物の単価はなかなか上がらない。
       市場原理に行政が介入するのは難しいので、
       一般の消費者の意識が変わってほしい。

■漁業、林業のQ. 水揚げ量の回復は?
     →福島県内への水揚げ量は低い。
       福島に所在地を置く、漁業経営体は県外で水揚げをしている事が多い。
     →林産物素材生産量も増加傾向。これは円安などの理由によるもの。

■産業のQ. 福島県内で1次、2次、3次産業に従事している人の割合は?
     →三次産業が六割、二次産業が三割。

■家族・子供への影響のQ. 3.11後に中絶や流産、離婚率、出生率はどう変化したか?
     →中絶や流産、離婚率は増えなかった。出生率は下がったが、2013年に上昇。

●坪倉先生
・南相馬市における事故初期の内部被ばくについて
  →南相馬市の一番初期の内部被ばくのデータでは、預託実効線量は1mSvを切る。
坪倉先生お話③坪倉先生お話④

・世界各地の自然放射線による年間被ばく量
→フィンランド、スウェーデン、スペイン、フランスが多い。(自然放射性物質のラドンが多いため) 日本は年間被ばく量が約1mSv、フィンランドは約7mSv。
坪倉先生お話⑤ 

・甲状腺のヨウ素被ばくはベラルーシと比べてどれくらい?
  →大体高くて数10mSv。チェルノブイリ事故時のベラルーシでは最高で1000mSv。
坪倉先生お話⑥ 
坪倉先生お話⑦坪倉先生お話⑧

・子供用の内部被ばくを調べるホールボディカウンター(ベビースキャン)3台を南相馬、いわき、平田村に配置。2015年3月の時点で、セシウム検出された子どもはいない。
 →ベビースキャンを受けに来る子供のお母さんの大半が放射性カリウムの事を知らない。
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坪倉先生お話⑩ 

・基準値超えの食品を摂取した場合
  →500~700Kg食べて内部被ばくが1mSvを超える。
坪倉先生お話⑨ 
  
・福島県産の食品を食べない、南相馬のお母さんの割合→85%
坪倉先生お話⑪

・ホールボディカウンター(WBC)に自主的に受診する成人→5%
坪倉先生お話⑫

・子供に検査を続けてほしいというお母さんは?→99%
坪倉先生お話⑬ 

・南相馬市の線量の推移
坪倉先生お話⑭ 

・他の地域と外部被ばくは大差なくなってきている。
坪倉先生お話⑲ 

・6号線を何回通ると成田、アメリカ間?
  →3、40回。東京~ニューヨーク間の往復では約0.19ミリシーベルト放射線を受けるそうです。 http://www.yonago-kids.com/radio-7-airplane1.html
坪倉先生お話⑮ 

・100mSv以下の放射線の影響→他の健康影響に隠れてしまう。
坪倉先生お話⑯ 

・糖尿病になる患者さんが増えている。→ガンのリスクが上昇する。
坪倉先生お話⑰坪倉先生お話⑱

オープニングトーク終了後の、今回のトークショーのテーマです。
トークショーのテーマ

●放射線、実際どう?
   →チェルノブイリでは外部被ばく:内部被ばくの割り合いが約6:4
   →福島では当てはまらない。
        流通している現在の福島産の米はほぼセシウムが入っていない。
   ・長く子供が被ばくする時間は主に在宅中。登校中や下校中の時間ではない。
   ・福島県産を食べないことを選択した若いお母さんたちの割合は南相馬では8割、
        三春では2割。
      →南相馬の8割の原因
         ・避難をした経験がある。
         ・ウォーターサーバーを導入して前から使用している。
         ・2世帯、3世帯家族。
          一緒に同居している祖父や祖母方の人から、
                    孫に対して放射線のことでアドバイスをもらうため
          (ママ友のオピニオンリーダーが原因のことも)
   ・入浴している時でも、水に対して漠然とした不安。
   ・東京では○○産の安全、安心な食べ物、水にこだわっている。
   ・福島産の米の単価を下げているのは一般の消費者の意識ではないか?

●この4年を振り返って、今後のデータをどうする?福島で研究を続けるには?
   ・5年の節目で、助成金や予算を段々打ち切られるようになる傾向に。
   ・助成金、賠償金が与えられている段階でこれから先どうしていくのか、
        考えを変えなくてはならない。
    (もうその時間はあまり残されていない)
   ・震災後初期からの変化、教訓、アーカイブ、記録を後世に残す。
      →研究者が段々福島から去っていく状況(研究を続けていく事が厳しい)
      →原発がある外国からの取材「ドキュメンタリーはもういい。
          自分達の国でできる事故の対策、教訓を教えて欲しい。」
   ・データ発信、情報発信を長く続けていく。

●「脱魔術化」していく!
   ・悪い出来事:呪い、祟り、おまじないを原因にする(魔術的な説明)
      →科学的な考えによって、魔術的、宗教的な説明を乗り越えていく。
   ・全部が3.11のせい?→震災前の問題もある。
   ・福島だけの問題なのか?
      →普遍的な問題。福島県外の地方で2,30年後に起こりうる問題。
        福島では震災後2,3年後に発生した。
   ・南相馬に来た医師は30名に(震災前の倍)
   ・小さい成功事例をいかに残せるか?あまり時間が残されていない。
   ・小さい活動の芽、キープレイヤーを育てる、そういう人がいたら応援して欲しい。

●「不安」をどうする?
   →行政に自分の不安を認めて欲しい(自主避難者の裁判、訴訟)
   ・証人の信頼回復が重要。
      →不安を無理に回復する必要はない。
       ・補償が無くなった後、どのように生活を建て直すか?

・アメリカでは原発のテロ対策チームを編成している。
   →日本は責任論、義理と根性論重視の社会。
    避難指示、初期対策を具体的にどのように詰めていくか?
・「自分の家の中は安全だし、外の人が頑張っていれば後は関係ない」という空気
   →今までの考え方を変える(パラダイムシフト)
   →県外:もう被災地としての福島の話を聞きたがる人は少なくなっている。
        どのように話を聞かすか、振り向かせるか工夫が必要。
・自分たちが理論武装しないと差別だけではなく、企業の食い物にされるのでないか?
・中間貯蔵施設→運搬の問題。道路1分間につき3、4台輸送車が通る計算。  

帰りに川俣町の川俣シャモラーメンを食べてきました。次は親子丼に挑戦したい‥。
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