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安積疎水~猪苗代水力発電所ツアーと共感カフェ

6/29(日)に安積疎水~猪苗代水力発電所を巡るツアーに参加してきました。主催者さんと他の参加者さんと一緒に車で行動中、安積疎水と郡山の開拓の歴史を聞きました。

郡山は年間通して雨があまり降らない土地で近隣の河川だけでは水が賄えないため、猪苗代湖から水を引く安積疎水が作られました。安積疎水は那須疏水(栃木県)、琵琶湖疏水(滋賀県琵琶湖 - 京都市)と同じ日本三大疏水の一つです。また、明治12年からの国営農業水利事業第1号として始められたプロジェクトでもあります。
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郡山の開拓では当時会津藩だけではなく、西日本の鳥取藩、久留米藩からも人が移住してきました。郡山に「久留米」という地名が残っているのはその名残だそうです。

昔の郡山市の地図とその外観。
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安積疎水の田子沼分水工。近くには風力発電所があります。ここの電気は近くの会津若松~郡山間を結ぶ49号線の道路、中山トンネルの照明に使われています。
田子沼分水工(ぼかし)
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下に長く続く階段をひたすら降ります。(↓こちらは階段下から上を見上げて撮影した写真です)
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分かりづらいですが、猪苗代湖から取り入れた水はここの二つのゲートでそれぞれ郡山市と須賀川市に水が分流されて運ばれていきます。
田子沼①田子沼②
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その後に、猪苗代湖の上戸頭首工をちょっと見学。安積疎水のプロジェクトを指導したオランダ人技師ファン・ドールンは、宮城県で国際港を作るプロジェクト案にも着手する予定でしたが、資金繰りの悪化で計画は結局頓挫してしまったようです。
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今は上記の上戸頭首工を使用していますが、上戸頭首工ができる前の昔は山潟取水口から水を取り入れていました。昔の山潟取水口の名残である水を取り入れるポンプ、石堤もあります、周囲には水路の堰の跡も残されています(草に埋もれているので分かりづらいですが)下記の看板を見ると、猪苗代湖と郡山の標高差が良く分かると思います。その標高差を利用して水力発電所が作られ、発電に使用された水は後に農業用水として使われます。
上戸取水口①上戸取水口②
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昔、安積疎水に使われていた猪苗代湖の取水口や水門。十六橋水門は今も使用されています。
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その後、沼上発電所を見学しました。近くに寄らないと分かりにくいですが、滝もあって流れる水の透明度も高く綺麗なところです。この後、下記に紹介する丸守発電所なども含めた安積疎水水系発電所は春になると、周辺で桜も咲きます(建設工事の際に植樹されたそうです)
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磐越西線のスイッチバック駅として昔使われていた、旧中山宿駅(今は使用されていません)。スイッチバックについてはこちらをご覧下さい→https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF
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旧中山宿駅

その後、磐梯熱海の観光 あたみ食堂さんの所でお食事。写真のメニューはギョーザハンバーグ定食です。
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午後には東京電力さんの丸守発電所を見学。ここは普段は無人運転の発電所で、制御は会津地方にある猪苗代第一発電所で行っています。
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丸森発電所③丸森発電所①

丸守発電所では発電用に横軸のタービンを使っているため、建物の中はタービンの駆動音がかなりうるさいです。

上記の沼上発電所、こちらの丸守発電所といった磐梯熱海での地域の水力発電所で作られた電力は、意外ですが実は郡山市方面に送られます。他地域の東電さん管轄の水力発電所の電力は、北関東方面に送電されます。冬季は水量が少ないので、設備のメンテナンスなどはその時に行うそうです(その時には発電もお休みします)福島県は水資源に恵まれており、水力発電の電力量、水力発電所の数も全国でトップクラスです。
安積疏水水系発電
猪苗代湖からの水のルートは主に二つに分かれ、安積疎水を流れる水は沼上、丸守、竹之内発電所がある磐梯熱海、郡山方面を通過した後、最終的には阿武隈川に流れ込みます。一方、猪苗代湖から会津若松方面を流れる水は十六橋水門を経て猪苗代第一、第二発電所などを通過した後、日橋川を通じて日本海に流れていきます。

猪苗代第一発電所に行く途中に、猪苗代町、緑の村にあるアクアマリンいなわしろカワセミ水族館に途中立ち寄りました。ここにはかつて旧沼尻鉄道を走っていたディーゼル機関車と客車が展示されています。隣には昔の翁島駅舎をイメージ再現した建物、駅舎亭があります(中はそば屋さんです)
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20150629_054202108_iOS.jpg翁島駅舎

その後、猪苗代第一発電所に到着。先程の丸守発電所と比べると建物のスケールがかなり大きいです。水量が多く、水が滔々と流れています。水を流す巨大なパイプ(水圧鉄管)も6本あります。
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猪苗代第一発電所は1914年(大正3年)に運転開始し、100周年記念を迎えたということでモニュメントと昔の建物用(旧本館)に使われたレンガが置いてあります。猪苗代第一発電所の設計と監修は、東京駅を設計した辰野金吾氏で、この赤レンガブロックも東京駅建造時に同時期、同じ工場で製造されたものです。残念ながら今の猪苗代第一発電所は建物自体を修復したため建設当時と比べて多少、外観も変わっています。
猪苗代第一発電所は、1914年(大正3年)に東京都への約225km区間に及ぶ長距離高圧送電に初めて成功した発電所でもあります。

昔の猪苗代第一発電所の外観。
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発電所全体図。
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猪苗代第一発電所は、発電量が年間あらかじめ決められている貯水池式の発電所です。電力量が多い昼間に、発電所の電力が主に使われます。6本ある水圧鉄管は3個(+小さい1個は補充用)の縦軸タービンを回転させるための水流にまとめられます。
20150629_063204707_iOS.jpg猪苗代第一発電所

当時の発電所建設時の工事に関係した英国ブース社の看板も飾られていました。

猪苗代第二発電所。こちらは外だけ見学しました。こちらも第一発電所と同じく、設計と監修は辰野金吾氏です。
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水圧鉄管と頂上にある貯水池。ここにいると水圧鉄管を通る水の音がくぐもって聞こえてきます。
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河東町にある近代化産業遺産の切立橋。平成20年に経済産業省に認定されました。1890年ドイツで製造された鉄道橋です。驚いたことに木の板を使った道路として使用されています(結構車が橋を通っていったりしてます)橋の部材をボルトで締めて連結組立てを行うタイプのプレハブ橋(現場で組み立てるものをプレハブという)なので、川の幅が違っていても調整して架設することが可能なのだそうです。架設された当初は猪苗代第4発電所の建設資材運搬用として利用されていました。この橋と向かい合うように、猪苗代第4発電所があります。
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猪苗代第4発電所の貯水池。渇水や大雨の時などに備えて、たまった水を放出する水路もあります。
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会津地方や磐梯熱海地方の水力発電所は昔から東京電力が管轄していた訳ではなく、昔は自治体それぞれや村営といった形で運営していました。後に、第1次、第2次世界大戦といった戦争の時代の背景もあって電力管理法や配電統制令が施行され、この地域では最終的に東京電力が取り仕切ることになっていきました。

ツアーの主催者さんからは会津地方が江戸時代に幕府の天領(江戸幕府の直轄領)として重用されていたこと、金山、銀山の跡が残っていることなど色々と面白い話を聞かせて頂きました。お話してくださった参加者の皆様、どうもありがとうございました。

ツアーの後は、この前ブログに書いた福ケッチァーノさんの料理長、中田智之さんと郡山の農家、鈴木農園の鈴木清美さんの話を聞く共感カフェに行ってきました。https://www.facebook.com/events/1626259400952242
共感カフェ

鈴木農園さんで栽培しているジャンボなめこの収穫体験。容器から取るのが大変そうに感じますが、コツをつかめば意外と簡単にスポッと手で取れます。お土産に鈴木農園さん特産のにんじんジュースを頂きました。甘くて美味しかったです!
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当日のメニューの季節のトマトサラダ、鈴木農園ひらたけのパスタ、鈴木農園なめこのスープ。トマトは玉川村から取れたものだそうです。ひらたけのパスタもおいしく、あっという間に食べてしまいました。鈴木さんのお話では施設栽培で育成するなめこ、ひらたけだけでも育てやすい環境に差異があり、容器を置いておく部屋の室温も種類によって決まっているとか。
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私は途中から参加してきたのですが、お話で印象に残ったものは鈴木さんの「震災後は大変だったが福島の高校生が作る{高校生が伝えるふくしま食べる通信}に励まされて農業をやってきた、自分の背中を見て後輩が育つように憧れの連鎖を作っていきたい。賠償金にいつまでも頼るのではなく高品質のものを作っていきたい。」、中田さんの「自分は生産者の思いを背負っている、その思いに応えてこれからも料理を作っていきたい」という意見でした。

また、農業関係でオランダ視察でのお話もお聞きできて興味深かったです。オランダは日本と比べて農業用の土地も限られているので、日本のような個人経営という形ではなく、農家それぞれが共同して会社経営するという合理的な採算が取れる形式でやっているそうです。「グリーン・フィンガー」という言葉があるのですが(元々は園芸の才能という意味)それに例えられる、自分の指が緑になるまで野菜に触る感覚と、野菜が育つ環境などのパラメータ、数値のそれぞれ2つをオランダでは重んじているようです。

共感カフェは今後も郡山のco-ba koriyamaさんで行われる予定です。気になる方は主催のさくらコンセプトさんhttp://u111u.info/moouに問い合わせてみて下さい。


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