福島を知る本+サイエンスの入門書(初心者向け)

今回は震災後の福島を取り扱ったマンガ、文系の方でも読めるサイエンス初心者の方向けの本を紹介します。

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●はじまりのはる 著:端野洋子さん(1,2巻)
震災後の福島で暮らす、農家の子である高校生とその周りの人達の様子を描いたマンガです。酪農家、きのこ農家さんなどの震災当時の苦悩が重く描かれていますが、話の最後は希望を感じさせる形になっています。月刊アフタヌーンで連載中です。

●いちえふ 福島第一原子力発電所労働記  著:竜田 一人 さん (1~3巻)
元々県外在住だった竜田さんが、福島第一原発の作業員として働くようになった過程や実際の現場での作業の様子などが描かれています。1、2巻では当時の同僚と一緒に働き先の企業を変えたり裏方的な仕事をしていましたが、3巻以降では高線量の現場で仕事をするようになったりと時勢に合わせて竜田さんの身の回りの状況も少しづつ変化していっています。週刊モーニングで不定期に連載中です。

●僕と日本が震えた日 著:鈴木みそさん
震災後の作者さんの家族の様子から始まって、宮城県石巻市の製紙工場が重大なダメージを受けた事による漫画雑誌の出版業界の話、千葉県柏市の放射能測定所ベクミルのお話、分かりやすく解説した放射線測定に関する入門的な話などがまとめられています。2012年発行なので今見ると情報が古く感じるかもしれませんが、当時の震災を振り返るおすすめの本です。

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●いちから聞きたい放射線のほんとう: いま知っておきたい22の話 著:菊池誠先生、小峰公子さん
物理学者(大阪大学サイバーメディアセンター教授)の菊池誠先生と、郡山出身のミュージシャンであるZABADAKの小峰公子さんとの対談という形をとって、放射線に関わる物理学などをやさしく書いた本です。本書の内容は実際にお二人がインターネットを通じて交わしたチャットを元にしています。漫画家のおかざき真理さんが本の挿絵、まんがを手がけており、十代の学生さんでも読めるとっつきやすい本です。
著書のお二方は、現在萩上チキさん編集の電子マガジン「シノドス」での対談記事も書いています。
http://synodos.jp/science/15807
http://synodos.jp/science/15817

●知ろうとすること 著:早野龍五先生、糸井重里さん
物理学者(東京大学大学院理学系研究科教授)の早野龍五先生とコピーライターの糸井重里さんの対談本です。早野先生自身の体験からCTスキャンによる医療被ばくの話、冷戦の時代に頻繁に行われた大気圏核実験による影響から放射線測定をするようになったきっかけ、福島高校の高校生と一緒にジュネーブのCERN(欧州原子核研究機構)で研究発表をした事や宇宙のビッグバンで水素が生まれた過程のお話などが書かれています。科学的に物事を考える力、そのこころのありようをやわらかく話している本です。

●はじめての福島学 著:開沼 博先生(福島大学うつくしまふくしま未来支援センター特任研究員)
たびたびNHKの番組にも出演されている開沼先生が福島の人口、農林水産業、観光業、復興政策、雇用などの問題を統計、データ、ご自身のフィールドワークに基づいて解説している本です。ページは厚めですが、福島を知るための25の数字に関することから福島へのありがた迷惑12箇条など読みやすく書かれています。後書きでは福島学おすすめ本、論者リストとして福島の事を知る本や活動している福島県の人、団体さんなども紹介してあります。

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●季刊 理科の探検 編集長:左巻 健男先生(法政大学教職課程センター教授)
小学校、中学校で習う理科(生物、数学、工学、天文学など)を読みやすく扱っている雑誌です。写真の「きれいな化学」特集ではSTAP細胞問題を取り扱っていたり、「ニセ科学を斬る!リターンズ」特集ではノンシリコン系シャンプーに関する解説など、科学関係の身近な社会問題の記事も載せています。内容はどちらかというと理科など科学教育を教えたりしている学校の先生向けなのですが、中学生さんからでも読めると思います。

●決してマネしないでください 著:蛇蔵さん
科学の歴史である「科学史」の偉人、奇人、変人を理系の軽いノリで解説している漫画です。週刊モーニングで連載中です。最初はラブコメから始まると思いきやマニアックな専門用語や実験が1話目から飛び交いますが、分からなくても大丈夫です。接触感染による産褥熱の原因を発見したゼンメルヴァイス、近代医学の発展に貢献したジョン・ハンター(ハンターの弟子は天然痘ワクチンを開発したジェンナー)の回が個人的におすすめです。

たまに出る名言もなかなか深いです。
「物理学は自然がどんなルールでできているか、数学を使って解き明かす学問です。たとえば宇宙の始まりや宇宙の果てに行くことはできませんが物理学を使えば、そこで何が起きているのか知ることができるんです。考えるだけで宇宙の果てまで行ける、それが物理学です」
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シンポジウム【「放射能」はなぜ嫌われるのか?〜心理学者と地域の対話〜】に行ってきました。

去年の12/19(土)に福島市でシンポジウム【「放射能」はなぜ嫌われるのか?〜心理学者と地域の対話〜】http://sakuralab.jp/index.php?art=87に行ってきました。電車で会場に行く途中、郡山駅内お土産コーナーにある向山カフェで昼食がてらちょっと行ってきました。
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向山製作所さんが経営しているカフェで、サービスで向山製作所製キャラメルが頂けます。当日、私が頂いたのはアールグレイのキャラメルでした。
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シンポジウムの最初は行動免疫班、平石さんの研究発表から。行動免疫とは、外界から異物が入ったときに排除しようとする人間の心理パターンのことです。

●調査研究
 ・人々は福島第一原発事故をどのように捉えているのか?
 ・人々は福島の土地と生産物をどう捉えているのか?
 ・人々は放射能のリスクをどう捉えているのか?
●実験研究
 ・人々は福島産の作物を前に何を思うのか?
 ・心理学的介入は可能なのか?

●2014年2月~3月のWeb調査で「放射能汚染」「福島」についての人々の反応を調査した。
”福島原発事故が原因となる被曝による健康被害で死亡した人は、日本全国で何人いると思いますか”
”福島原発事故が原因となる被曝で、今後10年間に健康被害を受ける人は日本全国で何人いると思いますか”
→中央値(平均値)は30人。30万人~1億人以上と答える人も。
”放射性物質の危険性に関して、政府からの情報は信頼できると思いますか”
”地震の危険性に関して、国内の研究者あるいは専門家と呼ばれる人からの情報は信頼できると思いますか”
→放射能(原発、放射性物質など)に関するものは信頼されていない。逆に、航空機事故、自動車事故などは政府、関連メーカー、専門家の意見が信頼されている。

●Web調査まとめ
・原発事故を原因とした被曝による健康被害推定→公的機関(UNSCEAR,WHO)とはかなりの乖離がある。
・「福島」というエリアならびに生産物について→ネガティブな反応が少なからず見られる。
・放射能関連リスクについて→「良いと思う」「嫌い」といった反応が感情と関連。他種のリスクではそのような関連は見られない。
・情報源について→放射能に関連して特異的に、あらゆる情報源が信頼されていない。政府、関連企業、国内外メディア、国内外専門家など。

●実験室実験
福島県産の作物に対する反応をよりダイレクトに検討。実際に相馬、会津、長野県産の作物を目の前に見ながら、各質問に回答してもらいその後、実際に食してもらう。
・きゅうり実験:産地を明示してキュウリを食べてもらう。
 →社会的望ましさ、貨幣等価を除き、福島県産(会津と南相馬産)のキュウリほどネガティブな反応が見られた。
・りんご実験:ネガティブな感情を抑え、ポジティブな面を考えるよう参加者に依頼する。
 →感情抑制が成功していない。福島県産のものは不安、嫌悪、死の可能性などの反応が見られた。
・さくらんぼ実験:さくらんぼの産地を明示+ガイガーカウンターで測定してみる。
 →ガイガーカウンターで測定してみる条件だと、特に福島県産(会津と南相馬産)に対して、ネガティブな反応が強化される傾向。むしろ自分で測ると装置の数字が気になってしまい、他の県産のものでもネガティブな心況になり悪化する面も?

●まとめ
・web調査から→「放射能」への”過渡に”ネガティブなリスク評価。感情と結びついている。情報源への不信。
・実験から→感情制御や情報提供では、ネガティブな態度を変えるのに十分ではない。
・今後の展望→ネガティブな態度はエラー管理の視点から危険を避ける上で”合理的”でもありえる。「病原体の感染などの危険を避けよう」とするのが行動免疫。それが合理的でなくなるような”介入”が可能か。

●福島県立農業短期大の半杭さんとの対談
・自分は「風評被害」という言葉をあまり使いたくない、農産物の買い控えが起きている。震災前と比べて売り上げは確実に減少している。
・約2500億円の農産物の売り上げを目標にしている。約8割は回復しているが、それでも1,2億円以上の損失が出ている。
・基準値などの線引きでそれぞれの判断が問われる、政治的な判断の被害もあるのでは。
・基準値を下回っても買うか買わないかの判断は消費者が決定する、それは本当に風評被害なのか?
・一般の人々はセンセーショナルな情報に反応する、それに対し生産者は黙々と測定して農産物を作っている。
・「福島」というラベルが貼られている、いつまでも「安全性」を打ち出して売っていいのだろうか。「福島のきゅうりはおいしいよね」と思って食べてほしい。福島の農産物に対してポジティブなイメージを打ち出すにはどうすればいいのか?
・米の全量全袋検査など農産物が検査されている事実を福島県内でもよく知らない人がそれなりにいる。一般的な知識、教養として知られて欲しい。
・「福島の普通の生活」があまり知られていない、一般の人々は関心がない。偏った層の人は目をつぶっている、「国、政府の情報は信用できない」と言えばかっこいいと思っているのではないか?
・上記の実験研究は国際比較で同じ実験をしてほしい。
・福島の農産物は一般用ではなく業務用として流通、使用されているのが主だった。全国1位になる必要があまりない。
・個人間の贈答として福島県産の桃を購入する、若いお客さんの層が増えている。


次はツイッター班、小森さんと松村さんの研究報告のまとめです。

●ソーシャルメディア班はツィッターのつぶやき「ログデータ」を対象として二つの視点から検討してきた。
①大きな災害に対して人々がどのような感情反応を示したのか実感を調査することで、我々がどのように災害を受け止めたのかを明らかにする。
②どのようなリスク情報がソーシャルメディアを介してどのように伝播したのか、その特徴を明らかにすることにより、より適切にリスク情報を提供する仕組みの構築を目指す。

●災害に対する感情反応の研究の紹介
地震・津波に関する不安の表出は深夜がピーク。原発への不安は一日を通してほとんど変わらない。→地震に対する不安と原発事故への不安は質が違う。

●重要になったソーシャルメディアの役割
・きっかけは東日本大震災。ソーシャルメディアの重要性が高まる。存在意義が広く認知されるようになった。
・特に注目されたのがツイッター。対人コミュニケーションとマスメディアの中間の性質を持つメディア。震災直後は通常の5倍以上の「つぶやき」

●ソーシャルメディアにおけるリスク情報の伝播、ツイッターはなぜ震災で注目されたのか。
・注目された理由の一つは「情報拡散の仕組み」リツイート(RT)機能により「有意義」な情報がワンクリックで簡単にリレーされることにより、様々な情報が流通した。
・一方で「流言(デマ)」が広がることもある。多くは「善意」もしくは「自己の評判を上げること」も動機。
・匿名掲示板と比較すると「悪意」に基づくものは少ない、一般に思われているほどは流言は拡散しない。

●ソーシャルメディアにおけるリスク情報の伝播、研究結果の紹介
・様々なリスク(自然災害、感染症、原子力災害)を取り上げツイートを選定、リスク認知の2次元(「恐ろしさ」、「未知性」)で評価させた。
・「恐ろしさ」、「未知性」の二つとも傾向が高かったのは「被ばく」「放射能汚染」「放射能汚染水」「エボラ」次点で「テング熱」「子宮頸がんワクチン」。放射能汚染、被ばくの情報は非常に未知で恐ろしい傾向がある。
・なんでも拡散してしまうのは「フォロー、フォロワーとつながりが少ない」人、感情に訴えるものを拡散させやすいのは「フォロー、フォロワーとつながりが多い」人。
・恐ろしいもの、感情に訴えるものほどリツイートされやすい。エキセントリックな情報は意外と大量に拡散していない。

・メディアの影響力トップ10(ツイッターでの言及回数を「影響力」として算出)はマスメディア(朝日新聞、NHK、毎日新聞、47NEWS、産経新聞、読売新聞)、動画共有サイト(ustream、youtube)、個人ブログ(アメブロ)、まとめサイト、SNS、通販サイトなど。
・上記から個人メディアとマスメディアと分類して感情を評価した。個人メディアはポジティブ、ネガティブ感情語の割合が多い。個人が自由に文章を発信できる、社会的な制裁を受けにくいメディア。対してマスメディアは個人メディアはポジティブ、ネガティブ感情語の割合が少ない。報道の公平性、中立性が求められる「マスメディア」の特性。

●福島市に牛乳を宅配している酪農家、ささき牛乳の佐々木さんとの「対談
・ツイッターは社会の似姿を反映しているのか、それは正しいのか?
・人々はどうしてもネガティブな情報に引きずられてしまう所がある。もし自分も違う都道府県に住んでいたら、デマなどネガティブな情報を同じく発信してしまっているのではないか?
・ツイッターで自分で情報を発信しても、違う情報をかぶせられてしまう。反論してもあまり有益ではないのでは。
・検査した結果をサイトに公表、ツイッターではあまり公表しなくなった。
・ある一定の、ネガティブな情報を信じている層の人には何を言っても届かない。福島を応援している層との間にいる人たちに向けて発信している。
・アメリカでは政党によってイデオロギーの線引きがはっきり付いている、日本ではあいまい。
・震災以降はテレビをあまり見なくなった。深いところの情報を知るためネットで情報収集をするようになった。テレビでは表面的なニュースは流れるが「なぜそうなったのか?」というメカニズムなどはあまり解説しない。ネット上では専門家に質問、相談できる窓口が開かれている。
・直接、消費者の方と話したことで相手の不安が除かれて安心できたことも。


休憩を挟んで社会班、武田さんの研究報告です。
「被曝」忌避感情×「感染」忌避感情=それぞれの生成と伝播 言説分析を通じて

●ハンセン病とは
・ハンセン病の歴史には、感染症ではなく遺伝性の病とする見方や業病(仏罰が当たった結果としての病)や穢れの表象とする解釈が入り混じり、一定しない。近代医学的な意味での感染症という認識が成立したのはアマウェル・ハンセンによる病原菌の発見以後だったが、それ以後もなお遺伝説が払拭されるまでには相当の時間がかかった。

●被曝忌避感情と感染忌避感情
・ハンセン病の特徴…リスク源が定かに見えない(病原菌発見以後も肉眼で細菌は確認できない。見えるのはリスク源を宿しているかもしれない人、物など)感染、発病がリスクとの接触後に確率的に発生する。
・障害の発生まで極めて長い時間がかかる(晩発性)。治療法がなかった(特効薬の発見は戦後)。
・感染症説が普及した後も遺伝病であるとの考えが払拭できなかった(遺伝不安)
・「リスク源が見えない」「確率的発生」「晩発性」「治療不能」「障害が遺伝することへの不安」→ハンセン病と被曝障害の類似性
・着眼点→ハンセン病に対する忌避感情の成立とその伝達の分析が、被曝忌避感情の生成と伝播過程を分析する参考にならないか。
・ハンセン病忌避感情の広がりは、政府が推進する強力な隔離政策を支え、ハンセン病患者を強制的に療養所へ終生隔離する人権侵害にまでエスカレートした(こうした先鋭化のプロセスもまた昨今の被曝忌避言説・行動の過激化に通じるように感じられる)

●ハンセン病忌避感情の成立と伝播
・新聞記事データベースによる1870年代~1980年代の記事検索の利用によると「コレラ」「結核」の記事の方がハンセン病の記事よりも数が多い。
・新聞メディアは感染恐怖を煽ったか?→No?
・法律に規定された収容方法についての概要紹介など当時の新聞記事では、事実報道の原則に従う案外と淡白な記述。病気の性質や恐ろしさなどについては言及していない。
・新聞メディアは感染恐怖を煽ったか?→Yes?
・新聞が主体的に感染恐怖を語ることはないが、感染の危険を取材相手に語らせた記事は数多く存在する。
・医療関係者の連続寄稿‥妊娠中の母子体内による感染など濃厚な接触が感染を広げる。新生児とハンセン病にかかった母親の接触による感染など家族が感染の場になるとみなした。完全隔離方式へ進めることが主張されている。収容されていない患者が感染源になっており、収容能力を大幅に強化しなければハンセン病撲滅はできないとしている。
・ハンセン病の凄惨な描写が書かれた作品の紹介を新聞に連載中の作家が取り上げたことにより、この紹介を通じてハンセン病の収容や療養所の様子を知り、感染を恐れるようになった読者もいたのではないか。

(小括)
・新聞ジャーナリズムは主体的にハンセン病の恐怖に言及していたわけではないが、患者数の多さや感染の恐ろしさを伝える専門家の声を伝えたり、療養所内や収容の様子を伝える文学作品などを紹介し、恐怖を掻き立てることはあった。もちろん伝播メディア、紹介メディアだったとしても免罪されるわけではない。
・3.11後のジャーナリズムにも散見される点であるが、専門家、当事者の発言内容を鵜呑みにせず可能な限りの科学的、実証的チェックを自らしつつ、紹介してゆく作業を怠っている。それが上記の人々の主張を批評せずに紹介し、国策としての隔離政策に追従することにつながった。

・報道のチェック不足に起因する感染恐怖
→感染症なのに「血統」の概念を統計で用いて、それを新聞記事が引用している。本来は遺伝ではないので血統人数を数え、潜在的にリスク源となる人数として示す必要は無い。リスクの過大評価。
→報道がすべきだったこと。医学的定説に基づいて「血統」統計のおかしさを指摘し、正確な患者数に修正すること。また医学的知見に基づいて正確な患者数からどの程度の感染が、どのような条件の下でありえるかを示すこと。不確かな知識に基づく報道が不安を広げる。被曝忌避感情の成立にも通じる傾向がそこにうかがえる。
・しかし、報道がただ「恐怖の宣伝」役を担っていたわけではない。科学的チェックを免れて治療に関する記事が多く掲載されている。
・ハンセン病治療薬の販売店や「ハンセン病を治す」と謳う民間医療の広告が約100~300件掲載されている。

●沈黙の螺旋理論(詳細はこちらをご覧くださいhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%88%E9%BB%99%E3%81%AE%E8%9E%BA%E6%97%8B
感染を恐れさせる言説と、不安を鎮める言説は両立していた。しかしハンセン病を恐れる多数派意見がマスメディアなどで持続的に提示されることで、その声が大きくなり、一方でハンセン病を恐れない言説を支持する人は少数派として沈黙を強いられるようになってゆく(ハンセン病薬広告は1910年代を境に減少してゆく、治癒報告も20年代で消えてゆく)

●なぜ感染の恐ろしさを信じ、支持する人が多数派になったのか?
・ジャーナリズムは感染の恐ろしさも不安を鎮める言説も伝えていた。
・大衆社会は、両者のうち感染の恐ろしさを伝える記事を受容した。←大衆社会による選択。
・少数派を沈黙させる圧力となった「隔離を正当化する別の言説」
 →1907年の「らい予防に関する件」制定前後は「国辱問題」解決が喫緊の課題だった。「欧米列強の目」を意識。感染の恐怖とは別にハンセン病者を隔離収容する必然性があった。「国民国家」=総力戦体制の形成期にハンセン病撲滅を望まないと非国民的な立場とみなされる。(過剰かもしれないが)確実にハンセン病撲滅に繋がる方法としての隔離政策に反対しにくい。
・撲滅への切望と感染への恐怖を払拭したがるゼロリスク指向が「断種」を支持する。
・1923年の新聞記事には「癲患者に子を生ませぬ方法を日本でも実行している」として、ハンセン病療養所で断種手術が秘密裏に行われていること告発するわけでなく報告している。
・記事は精神病とハンセン病を並べ、ともに断種不妊で撲滅できるとしていた。「ハンセン病と精神病とを法律で退治しよう」とその主張を上書きする記事が出ている。

●なぜ感染を恐れる人が多数派になってゆくか(歴史的考察)
感染恐怖の感情は、実は近代的な新聞メディアの言説に先駆けて存在していた。寺社の境内などに集まる「浮浪らい」が国辱問題化するのは明治以降だが、近代化以前からハンセン病のように皮膚や四肢に症状を示す病が忌み嫌われ、共同体を追われる歴史があった。
・近代以前のハンセン病→「今昔物語集」(12世紀)→差別の対象に。
・梅毒は渡来キリシタンが日本に持ち込んだ外来の新しい病で免疫がないために広く蔓延し、症状も深刻であったと思われるが、病の伝統がなく宗教色をもたなかったために特殊視を免れた。梅毒は水銀を含む薬での治療が可能なことが早くから分かった。
・歴史伝統(ハンセン病=血統病、業病etc)の上に近代的な医療知識、科学的思考法が中途半端に持ち込まれて接ぎ木された。
・国民国家の形成や総力戦体制の維持や、リアリズム小説、映画などのメディア普及の中で感染力を多く見積もる言説が選択的に受容され、多数派となり恐怖感情、忌避感情を肥大させる方向に機能した。
・そんな忌避感情の高まりが隔離政策を支持し、患者に対する多くの人権侵害を受容した。

●被曝忌避感情の成立と伝播
・被曝忌避感情も3.11以前の言説の蓄積の上に存在しているのではないか。つまり広島、長崎の被曝、第五福竜丸被曝事故、核実験やチェルノブイリ事故等々が311後にどう語られてきたか。
・被曝忌避を補強する他の言説(専門家不信、政治不信etc)を腑分けした上で相互の補完関係を分析する必要があるのでは。

●テレビユー福島の大森真さんとの対談。
・2013年の新聞記事より「空間線量の推計値に比べ、数値が低く出やすい個人線量計のデータを集めて避難者を安心させると共に」「意図的に低くなるよう集められたデータは信用されるだろうか」「初めに帰還ありきでは検討の順序が明らかに逆」
→行政の不信感、不安感の増大。
・最も重要なのは健康影響に関わる「実効線量」。周辺線量当量=実効線量ではない(周辺線量当量:実効線量=1:0.7)。個人線量計は実効線量に近似し、かつ過小評価しない。
・個人線量はモニタリングポストの値よりはるかに低い(2011年5月から1年間携行した、テレビユー福島社員約30名の積算線量計データから)個人線量計の方が正確。
・「新聞は社会の木鐸たれ」(世人に警告を発し教え導く)→「権力(?)を叩くこと」が刷り込まれている。センセーショナリズム、発行部数、視聴率競争、両論併記への逃げなど。
・マスメディアの中の特定の記者が恣意的、偏った考えをもっている。「普通の福島の生活」は中央のマスメディアにはニュースとして望まれない、報道されない。
・基準値超えのものは報道されるが、その裏にある不検出の膨大な農産物のことは取り上げられない。
・「今の福島の現状」と「東電の責任追及や賠償問題」は別個の事柄。
・メディアは空中戦になりがち。当事者である地上の人たち、避難区域に住んでいたそれぞれの人達に何ができるのか?当事者のストレスを緩和したり、対話することもとても大事なことでは。
・デマとも言えるような報道に、もっとカウンターを打つべきだったのか。「詳しいデータを出して相場観を持ってもらえば、自分達が納得して行動を決められる」→見通しが甘かったのか?
・福島市のピークの空間線量は約24μSv/hだったが、放射線の相場観があったのでその後の線量が減少していくのを見て不安や恐怖心が少しづつ減っていった。


その後の総合討論では、福島医大の宮崎真さんが最初にお話をしました。後ほど、参加者の方の意見も出ました。
※宮崎さん以外の他の方の発言もまとめて書いてあります。
・宮崎さん自身は放射線画像診断医で、結果を主治医に伝えるのがほとんどで患者さんとは直接関わりがなかった。
・線量の数字を見て放射線に関して判断、予想できる人はごく少数。(健康診断も同様)
・プロセス(過程)の丁寧な説明が欠如していると結論、結果だけ伝えても理解されにくい。プロセスを出すのが大事。
・ささき牛乳さんのHPではなぜ牛乳が不検出なのか理由が簡潔に書いてある。
・ハンセン病にも歴史があるように、放射線にも防護の歴史があるが忘れ去られている。
・災害はこれからも起き続ける、地道に正確な情報だけ出し続けることが有効か?
・正しい情報、知識を伝えたから意図が理解される訳ではない、数字を伝えるだけでは足りない。「1mSv」「3.8μSv/h」という数値が決まったプロセスを伝えるようにする。

・ガイガーカウンターではなく、食品専用の放射線測定器で測定すれば行動免疫班の実験の結果が異なるのではないか?他県と福島県の牛乳を測り比べたら、ほとんど福島県産のものは不検出だったので安心して買うようになった。
・なぜ放射線の相場観について学ばないのか?安齋育郎先生との対談番組を見てタバコをやめた人もいた。
・行政に守られていないという不信感が震災後からあった。コミュニケーションの前提がとれていない。
・放射線の被ばくを少しでも減らそうとすると悪者扱いされることもあり、傷ついた。
・中央のテレビ局→3.11後に災害などの報道、対応マニュアルや制度は作られているのか?作成しているところがあってもマニュアル自体が門外不出のため、知識や制度が共有されない。

主催してくださった佐倉統先生、お話してくださった登壇者と参加者の皆様どうもありがとうございました。


新年明けましておめでとうございます。

2016年、明けましておめでとうございます。お付き合い頂いてる皆様方、昨年はお世話になりました。どうぞ今年もよろしくお願いします。ちょうど新年ということで猪苗代湖に来た白鳥を撮影したかったのですが、暖冬のためか撮影した日にはあまり数がおらず…。(普段は田んぼなどでくつろいでる白鳥もいるのですが)1/5現在あまり雪が積もってないのもあるのか、もうちょっと白鳥が来てくれるといいなと思います。
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志田浜の様子。

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長浜では鴨さんと遊覧船がちょうど来てましたが、普段の冬の光景はこんな感じです。http://ameblo.jp/tamesumo55/entry-11997767091.html

遅めの初詣ということで、ちょっと遠出して喜多方の願成寺に行ってきました。重要文化財の会津大仏にも参拝してきました。
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同じく、重要文化財の新宮熊野神社長床にも行ってきました。こちらの長床拝殿ではたまに舞台が行われたりします。
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秋は神社の近くにある樹齢600年の御神木、大イチョウの木の紅葉で満面黄色になる風景が見られます。http://find-travel.jp/article/7395

喜多方市美術館と隣にある蔵の里さんの中。美術館はあいにくお休み中でした。 こちら蔵の里さんでは、敷地内の中庭を中心として店蔵、味噌蔵、穀物蔵、蔵座敷、郷頭曲り家等を移築したものが集められており、中を見学できます。http://www.furusatosinkou.co.jp/sato/蔵の里さんは昔の呉服店を移築したものを使用しています。
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食事に立ち寄った珈琲蔵ぬりの里さん。こちらでは軽食のほか、漆器も売られています。http://hachiro-bei.com/nurinosato.html 
喜多方市の小学校給食用の食器も取り扱っています。お店の二階では漆器が作られる過程のものなどが展示されています。
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またこちらに行く途中で喜多方市役所の近くにある郷土料理屋、会津田舎屋さんでは、採れたてのホワイトアスパラガスをごちそうになりました。http://www.aizu-inakaya.com/その節はどうもありがとうございました。