郡山歴史探索ツアー

前回ブログで書いた、6/29安積疎水~水力発電所を巡るツアーの主催者さんが、今回は郡山歴史探索をブラタモリちっくにゆるく徒歩で巡るツアーを開催するという事で行ってきました。(前回のツアーの様子http://inakafe.blog.fc2.com/blog-entry-19.html

郡山駅で参加者の方と待ち合わせ中、お土産屋さんで豆腐の味噌漬けとりんごバターを発見。福島県塙(はなわ)町の特産物だそうです。
20150829_015311669_iOS.jpg

参加者の方と合流した後、郡山駅前にあるビッグアイ22階のスペースパークに移動。ここには明治、昭和初期、現在の郡山駅周辺市街地の風景の変遷を見れるジオラマがあります。上に設置してあるTVでは郡山の発展の歴史について映像が流れていました。
スペースパークジオラマ(ぼかし)①スペースパークジオラマ(ぼかし)②
20150829_020221753_iOS.jpg  
スペースパークジオラマ③スペースパークジオラマ④
スペースパークジオラマ⑤


明治時代では安積疎水の影響もあって田園が広がり、郡山駅周辺は農業がさかんでした。三春鉄道馬車もあります。
20150829_021220765_iOS.jpg

沼上発電所。
20150829_021330978_iOS.jpg

昭和初期では鉄道輸送のシステム化が進み、鉄道車両を移動させるターンテーブル(転車台)があります。このターンテーブルは今も郡山駅内の車両基地に現存しています。
20150829_021538833_iOS.jpgターンテーブル

現在の郡山駅のJR郡山工場。
20150829_022305749_iOS.jpg

東日本大震災時の福島で活躍した、石油貨物列車を牽引するのに使用されたディーゼル機関車(DD51 852)の事も展示されています。当時の事を書いた絵本「はしれ ディーゼルきかんしゃデーデ」も立ち読みできるよう置いてあるので、興味ある方はぜひ読んでみてください。
20150829_022631071_iOS.jpgデーデの絵本

昭和初期、郡山駅を走行したSL機関車、C6120。
20150829_022848461_iOS.jpg

SL運転シミュレーターもあります。
SL運転シミュレーター20150829_023941998_iOS.jpg

日本の主な特急列車、郡山駅を走る列車プラモデルも置いてあります。
20150829_023815588_iOS.jpg20150829_023830924_iOS.jpg

郡山周辺地域と太陽系の比較の地図。太陽系の中心、太陽をビッグアイとすると惑星がどの距離にあるのか書かれています。
20150829_024430759_iOS.jpg

国際宇宙ステーションの写真も。
20150829_024628884_iOS.jpg

22階の上から、景色も楽しめます。ここスペースパークには世界一高い所にあるプラネタリウム(ギネス認定)もあります。残念ながらこの日は雨でもやがかかっているため視界が悪かったです。
20150829_024958584_iOS.jpg

ビッグアイ1階にあるジェラートとタルトのお店、アトリエさとうとバニラと。
20150829_025922841_iOS.jpg

ビッグアイ6階の市民交流プラザでは、色々イベントなども行っています。
20150829_030056701_iOS.jpg

駐車場から見たJR郡山工場の様子。
20150829_030722389_iOS.jpg

お昼はレストラン三國でお食事しました。五目焼きそばがすごいボリュームでした…。
20150829_035254685_iOS.jpg

こちらは煮込みハンバーグ。
20150829_035423839_iOS.jpg

お食事の後、磐越東線の舞木(もうぎ)駅で石炭積込みに使用した施設跡を見ました。舞木駅は磐越東線でのSL用石炭の積み込み場として使われていたので、その名残が残っています。
20150829_044401051_iOS.jpg

舞木駅に行く途中、磐越東線の川にかかる橋を見ていた所、主催者の方のお話によると橋の土台は明治時代に作られた石積みのものが多く残っており今も使用されています。磐越東線の橋下をくぐる小道もかつての三春鉄道馬車の名残だそうです→http://blog-imgs-47.fc2.com/k/a/r/karakoto/2011041921560752a.jpg

車両の変遷によりステップの高さに合わせて、石垣のホームをコンクリートでかさ上げしています。
20150829_044627692_iOS.jpg

駅に面した郵便局。
20150829_044635264_iOS.jpg

その後、郡山駅前のアーケード商店街周辺を散策。この辺りはまだ郡山が昔、宿場町だった名残の建物が残っています。
宿場町の名残①20150829_051825233_iOS.jpg
20150829_053830320_iOS.jpg

石造りやレンガの蔵も残っています。
宿場町の名残②宿場町の名残⑤
宿場町の名残④宿場町の名残③
郡山の蔵①郡山の蔵②
ちなみに、上右の写真の蔵の壁から出ているフックみたいなものははしごを引っ掛ける時に使用するものだそうです。

洋風と和風の建築が合わさった家も。
20150829_060610678_iOS.jpg20150829_060957288_iOS.jpg

郡山市の伝統文化遺産、大町道標。ここから三春に続く三春道と会津に続く会津街道に分かれている事を示す道標です。
20150829_053314093_iOS.jpg

郡山市の伝統文化遺産、芭蕉通り。ちなみに、ここの近くには針を供養する針塚もあります。
20150829_061155571_iOS.jpg

郡山市の街中にあるまざっせプラザではまちなかレンタサイクルも行なっています。
20150829_061536792_iOS.jpgまざっせプラザ

お隣のお茶屋さんの菊屋茶房。抹茶ソフトクリーム、かき氷も扱っています。
菊屋茶房

旧奥州街道、郡山宿本陣跡。郡山ビューホテルアネックスにあります。
20150829_062035379_iOS.jpg

奥州街道の道標(元標)の解説。この道標は近くにある安積国造神社の表参道正面に建てられています。
中町モールの道標
  
安積国造神社

郡山の水道史、山水道の解説。街の人口増加により、当時郡山に住んでいた商家は現在の清水台、虎丸一帯の湧き水が出る土地に井戸を掘り、その井戸から水を引きました。江戸時代から昭和47年頃までその水道(山水道)は使用されていました。郡山にもかつて山車を使用した屋台歌舞伎が存在していましたが、残念ながら今は行われていないようです。
20150829_062204345_iOS.jpg20150829_062214755_iOS.jpg

郡山市の伝統文化遺産、代官小路陣屋通り。江戸時代にここの場所には郡山、大槻、片平の代官所が存在していましたが、戊辰戦争時の兵火(会津兵の放火)により町共々焼失してしまいました。
20150829_063008558_iOS.jpg20150829_063022066_iOS.jpg

郡山の和菓子屋さん、大黒屋の片隅にあった郡山町の碑。大黒屋さんの改装工事の際に、この石碑が出土されたそうです。郡山の町制時代は明治22年(1889年)〜大正13年(1924年)の間なので、その期間に使用されたもののようです。
20150829_064030136_iOS.jpg

柏屋さん本店の限定販売、厚皮あんドーナツ。
20150829_065203492_iOS.jpg

店先には薄皮饅頭の由来が書いてあります。薄皮饅頭が考案されたのは、黒船が来航する1年前の嘉永5年(1852年)の頃だそうです。
20150829_065207677_iOS.jpg

その後、コワーキングスペースのco-ba KORIYAMAでお食事と飲み会。『獺祭 焼酎』、仁井田本家『穂の歌』、白糸酒造『にごり酒 ハネ木絞り』など、珍しいお酒も頂きました。見ているのは軍艦島のドキュメンタリー番組「軍艦島オデッセイ」です。
20150829_090824153_iOS 1軍艦島オデッセイ①
軍艦島オデッセイ③軍艦島オデッセイ④
軍艦島オデッセイ⑤軍艦島オデッセイ⑥
軍艦島オデッセイ⑦軍艦島オデッセイ⑧

田村市にある鉱山、白山抗の中を撮影した動画も見ました。
白山抗①白山抗②

スペースパークでもお話していた、東日本大震災時のディーゼル機関車(DD51 852)活躍のyoutubeも見させて頂きました。飲み会の時に見たyoutubeの動画は以下のものです。
ディーゼル機関車①





最後はNHKBSプレミアムで放送している「新日本風土記」の廃墟特集。川原湯温泉街で一軒残っている温泉旅館や雲上の楽園とも呼ばれていた松尾鉱山跡、宮城県の化女沼レジャーランド、新潟ロシア村などを見ました。個人的には番組中に出演されていた廃道家、石井あつこさんの言葉が心に残りました。
(石井あつこさんについてはこちらをご覧ください。)
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1305/02/news027.html
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1401/06/news011.html

新日本風土記①小夜島
新潟ロシア村


ツアーの案内をして下さった主催者様、同行されていた参加者の皆様方どうもありがとうございました。


スポンサーサイト

NHK「視点・論点」に寺薗先生が出演されました。

探査機カフェで講師して頂いた寺薗淳也先生がNHKの視点・論点「冥王星を越えて、ロマンを越えて」に出演されました。NHKの解説委員室 、解説アーカイブスで、番組の書き起こしが公開されています。よろしければ、ご覧ください↓
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/225995.html

会津そらの会、観望会に行ってきました。

8/21(土)会津若松に、会津そらの会さんの観望会に行ってきました。あいにく、雨混じりのお天気だったため屋内のリオンドール滝沢店、子供用絵本コーナーでお話し会を行う事になりました。
お話会の様子 

望遠鏡、顕微鏡などの光学機器メーカー、ビクセンさんのフリーペーパー「So-TEN-Ken」を見ながら、夏の夜空に観測できる天体、星座のお話を主にお聞きしました。東京で見れる夜空(6~8月)はこのような感じになっています。
夏の星空全体図

今まで夕方に見れていた宵の明星、金星も、8月下旬からは地球と金星の角度により、夜明け前に明けの明星として見れるようになります。
金星 

8/21(土)会津若松から望む西の空には、月と土星が見えます(土星を見るときはは望遠鏡を使用します)
821(土)の月土星

上の図の東京の夜空では、南西の空に土星とさそり座が位置しています。
土星とさそり座 

さそり座でひときわ目立つアンタレスは、直径が太陽の720倍もある巨大な恒星です。星の一生の最終段階に入っている星であるため(赤色巨星といいます)莫大なエネルギーを放つ超新星爆発が近い将来起きることが予測されています。(早い時には今夜、遅くても約700万年後?と推測されています)ひとたび、超新星爆発が起これば昼間でも判別できるほど、アンタレスはまばゆい光を放ち続けます。アンタレス以外にも、古い昔に他の星の超新星爆発の記録が残っており天文学者、ティコ・ブラーエがその観測記録を残しています。

そして、土星ですが実は年単位で土星の輪の見え方は変化していきます。土星の輪が消失して見える時もあります。これは土星の地軸が傾いている事と、土星の輪が巨大な土星と比べて非常に薄い事からによります。(土星の輪の厚みは10mしかありません)詳しくは国立天文台の土星の輪の消失現象の解説ページをご覧下さい→http://www.nao.ac.jp/phenomena/20090904/

夏の夜空としてメジャーな星座、夏の大三角では彦星(わし座のアルタイル)、織姫星(こと座のベガ)、はくちょう座のデネブが観測できます。アルタイルはアラビア語で「飛翔するワシ」、ベガは「降下するワシ、降り立つワシ」を意味しています。(こと座から見ると、わし座が降下しているように見えるため)
夏の大三角 

こと座のM57星雲はリング星雲と言われており、その形状から「彦星が織姫に贈った指輪」と喩えられています。この星雲は惑星状星雲という種類で、太陽くらいの星が最後を迎えた頃の姿です。星そのものが巨大化し中心星から、星の外層部(表面の部分。大半が水素)が次第に宇宙空間に流出していき、あとには星の芯が残る状態になります。独特の色模様は、温度が高い中心星からの紫外線によって周囲に広がったガスが再びそれぞれ元素特有の光を放出する事に起因しています。望遠鏡では見るのは難しいですが、リングの中心には淡く光る白色矮星があります。
リング星雲 

夏の大三角で天体観測に向くおすすめの星として、はくちょう座のアルビレオがあります。この星は二重星という特殊な星で、目視では一つの星にしか見えませんが望遠鏡で見ると2つの星のペアになります。奥行きの関係で一つに重なって見えているのか、それとも二つの星が近くに存在して連携して回転している双子星なのか、実は今でも良く分かっていないそうです。赤と青のコントラストが印象的で美しい二重星で、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」にも出てきます。
アルビレオ 


夏の大三角は地図の平面上では三角形に見えます。ですが地球から見てアルタイル、ベガは17光年、25光年と比較的距離がほぼ同じですが、デネブだけ約1800光年と非常に遠い所にある星のため、宇宙空間での奥行きがとてつもない空間になります。星の明るさは地球の距離と反比例しているため、デネブは夏の大三角の中で実は一番明るい星なのです。(三つの星の内、デネブが一番明るさ《等級》が控えめです)ちなみに、彦星のアルタイルと織姫星のベガのお互いの距離は14.4光年と比較的近い距離にあります。詳しい図解は中日新聞のこちらの記事をご覧ください→http://chuplus.jp/blog/article/detail.php?comment_id=2560&comment_sub_id=0&category_id=282


また、さそり座を狙う位置に存在するいて座にはM22という球状星団があります。こちらは、太陽のような星(恒星)がお互いの重力でみっしり集まった天体です。
いて座球状星団


望遠鏡や双眼鏡が無くても観測できるものに、他には国際宇宙ステーション(ISS)があります。JAXAのこちらのページで(http://kibo.tksc.jaxa.jp/)国際宇宙ステーションの目視予想情報がこまめに更新されているので、興味ある方は挑戦してみてください。
国際宇宙ステーション 

また、はやぶさ2キャンペーンでJAXAでは「はやぶさ2」が目指す小惑星1999 JU3の名称(名前)案募集を今月中まで行っています↓
http://www.jaxa.jp/press/2015/07/20150722_hayabusa2_j.html
http://fanfun.jaxa.jp/topics/detail/5527.html

締切りは今月8月31日までとなっていますので、こちらも興味ある方は応募お早目に!

会津そらの会さんは約1か月に1回のペースで、天体観測の観望会を会津若松市リオンドール滝沢店で行っています。参加費は無料なので近隣の方や興味ある方は、お気軽にいらして下さい。その他、会津若松市内で色々イベントも行っています。
●公式サイト
http://aizusora.main.jp/
●フェイスブックページ
https://www.facebook.com/aizusora
●ツイッター
https://twitter.com/aizusora

当日、お話して下さった会津そらの会のメンバーの皆様どうもありがとうございました。



オハラブレイク。

8/1(土)に猪苗代湖天神浜キャンプサイトで行われていたオハラブレイクに行ってきました。当時は良いお天気でしたが、その分暑かったです(湖畔からの風が吹いているので、不快な暑さではなかったのが救い)シャトルバスで来たんですが、会場から遠かった‥(ヽ'ω`)1日にラブサイケデリコのライブがあるということで、いっぱい人も来てました。

湖畔①湖畔②
20150801_055331570_iOS.jpg20150801_051332141_iOS.jpg

「湖畔の森の野外美術展」ということでトレーラーロッジを利用した、作品展示もされていました。
作品展①作品展②
作品展③20150801_050916154_iOS.jpg
20150801_051252847_iOS.jpg

「福島の花」プロジェクトの写真家、野口勝宏さんの写真展示も。
20150801_071343924_iOS.jpg

砂浜の特設ステージ近くの併設カフェでは、猪苗代染めのTシャツも販売されています。
20150807_025520908_iOS.jpg 20150807_025527152_iOS.jpg

8/9(日)までオハラブレイクは開催されていますので、興味ある方はいらしてみてください。http://oharabreak.com/砂浜を歩くので、サンダル+熱中症予防の服装がいいと思います。

※おまけ:農家レストラン 結さんでもりそばお食事してきました。おそばのボリュームと二品ついて、これで780円はお得です。お座敷席もあるので赤ちゃん連れや家族連れの方にはちょうどいいかも。お昼は午後3:30で終了するので、ランチの方はお早めに。
20150807_041002932_iOS.jpg

7/26(日)宇宙探査機カフェのレポート

 7/26(日)に会津大学で宇宙探査機カフェを行いました。今回は講師の寺薗先生の希望で、広々とした管理棟展示スペースでサイエンスカフェを行いました。ちょうど探査機カフェの前日にNHKで、冥王星&彗星探査の番組を放送していたところでしたhttp://www.nhk.or.jp/space/info/pluto.html
20150726_055528975_iOS.jpg

寺薗先生の著書、「惑星探査入門 はやぶさ2にいたる道、そしてその先へ」の書評が書いてあった月刊星ナビさん7月号。
20150726_055504941_iOS(切り取り) 


ちなみに、ここの展示スペース近くには会津大学さんが関わっていたはやぶさプロジェクトで作成した小惑星イトカワのモデルと、トーラスノットのモニュメントが置いてあります。右の黒板は、そのトーラスノットモニュメントを作る際に3Dモデル構築で使用した数式が書かれています。このモニュメントは震災復興、応援のため人気ブランドCOACHから贈られたものです。(中身は木材で、表面はバッグ製品の際に余ったレザーと金具部品を使用しています)http://www.u-aizu.ac.jp/events/topic-torusknot.html
会津大学はPCなどコンピュータ専門の知識を学ぶ大学という事でここのスペースにはその他、昔使用されていたサーバー、スーパーコンピュータの模型もあってコンピュータ発展の歴史も垣間見えます。
20150726_054951468_iOS.jpg20150726_055037608_iOS.jpg

今日のお菓子は会津若松の和菓子屋、長門屋さんの青竹羊羹をお出ししました。http://www.nagatoya.net/homeプッチンプリンのような感じで後ろにつまみがついてるので、それを折ります。そうすると、中から羊かんが出てくる仕組みとなっています。
20150726_053837904_iOS.jpg20150726_053920594_iOS.jpg
20150726_053945753_iOS.jpg20150726_055820492_iOS.jpg
20150726_054016565_iOS.jpg20150726_054136725_iOS.jpg

今日はキュウリの漬物、トマトなどの差し入れもあり、参加者も少数というのもあってのんびり始めました。
20150726_053830061_iOS.jpg 

まず最初は、寺薗先生の自己紹介。今現在は会津大学で、コンピュータ技術を利用した惑星探査データの解析の研究をしています。以前は宇宙科学研究所で月の内部構造を研究していました。その後、宇宙開発事業団、JAXAでは広報部に勤務し月・惑星探査計画などにも関わってきました。JAXAの広報担当の時には講演やホームページ作りなどに携わりました。

会津大学は1993年に福島県会津若松市に開学した、日本ではじめてのコンピュータ専門の大学です。講師の約4割が外国人で、学内の公用語も英語です。有事が起こった際の避難誘導、緊急地震速報も英語で伝えられます。

今回の講演内容でもある、冥王星探査機のニューホライズンズのお話から。

ニューホライズンズは人類史上はじめての冥王星探査機です。ニューホライズンズは英語で「新しい地平線」という意味です。冥王星を通り過ぎて(フライバイ)、その様子を撮影後にカイパーベルト天体(海王星の軌道より遠くにある天体)の探査をする計画になっています。
ちなみに、日本外の他の国の探査機では英語のつづりの関係上、名前の読み方が紛らわしく、日本とよその国では微妙に発音が違うこともあります。以前は「ニューホライゾンズ」と呼ばれていたり。火星の探査機メイヴンもメイヴァンと呼ばれたりします。https://ja.wikipedia.org/wiki/MAVEN

ニューホライズンズはアメリカが開発した探査機の中では、異例の軽さと小ささを持つ探査機です。日本の探査機はやぶさが500㎏、はやぶさ2が約600㎏ですが、ニューホライズンズは478㎏の重さです。ニューホライズンズの目的は次の通りです。

・冥王星と衛星カロンの調査
(冥王星の地表、上層大気の観測、カロンの大気の調査)
・カイパーベルト天体の調査

ニューホライズンズに搭載されているのは紫外線スペクトロメーター、高エネルギー粒子測定装置、宇宙塵計測器などです。面白いことに探査機を開発したアメリカではこれらの搭載観測機器にわざわざアリス、ローリー、ペプシなどといった韻語の名前を使っており、割と一般的なスタイルです。

20150726_063139069_iOS.jpg
冥王星が地球のはるか遠くにある事を考慮して、機体に比べ地球と通信するアンテナが大きめです。探査機にくっついてる棒状の原子力電池はプルトニウム238で、原子核崩壊の際に発生するエネルギーを熱として利用することで熱電変換素子により電力に変換する仕組みになっています。

ニューホライズンズは、アメリカ・フロリダ州のケープカナベラル発射場から打ち上げられました。ニューホライズンズは史上最速の探査機で、対太陽速度で時速16万kmというスピードで打ち上げられました。(日経サイエンスより)http://www.nikkei-science.com/?p=36000このスピードは超音速旅客機のコンコルドよりはるかに速く、月軌道までわずか9時間で飛行しています。(アポロ計画で月面到着時には、4日間もの時間がかかっています)
冥王星の地図冥王星の地質学
冥王星のカラー画像や地表の画像も地球に届き、黒いくじら形の領域や富士山並みの高度の山など複雑なパターンの地形が存在するなど色々なことが分かりました。地表はメタン、窒素などの氷で覆われており、メタンが紫外線反応でできたエチレン、アセチレンなどが氷にくっついていると推測されています。なぜ、冥王星の色が赤茶色っぽい色なのかはまだ調査中です。

歓喜の瞬間
19世紀終わり頃、天王星や土星、木星の軌道運動の矛盾を説明する、海王星より遠くにある未知の第10惑星があるのでは?と時の天文学界は予想していました。そしてとうとう、その軌道の矛盾を説明する冥王星をアメリカの天文学者クライド・トンボーが最初に発見しました。1930年の発見以降長い間、冥王星はアメリカ人が発見した唯一の惑星であったためアメリカ人は冥王星に特別の愛着があります。寺薗先生によれば、アメリカの人は旗が大好きでこういうイベントで母国の旗を振るのは普通の事だそうです。

冥王星最新画像
冥王星の大気ともや。大気ともやで2層状態になっています。

冥王星でまだ良く分からないこと。

・冥王星に予想外の高い山や谷のような地形が見つかり、科学者は頭を抱えている。(木星、土星の衛星のような他の氷天体と同様のわりと平らな天体ではと予想されていた)高い山などの地形では説明がつかない。
・これだけの地殻運動を起こすためのエネルギーも説明がつかない。月よりも小さな天体になぜこのような山を生み出すエネルギーが、それも最近(約1億年前)まであるのか?


なぜ、冥王星を探査するのか?
 →・打ち上げ当時(2006年)、人類がまだ見たことがない唯一の惑星。
  ・太陽系の最も遠い天体を調べることで、
   謎とされている太陽系の形成過程をより詳しく知る事が出来る。
  ・冥王星と衛星カロンがなぜ双子のような二重天体になっているのか?

冥王星イメージ
冥王星の地表イメージ図。ニューホライズンズが観測したデータが地球に届くには16か月かかるそうです。

ここからははやぶさ2のお話です。今回、はやぶさ2が行き先としている小惑星は、C型小惑星というタイプの小惑星です。水や揮発性物質を含むことが多い「炭素質コンドライト」の隕石に近い中身を持つ小惑星で、生命の起源に関係するかも?と推察される小惑星です。

はやぶさ2が目指すもの。
→・科学的意義:地球、月、惑星の原材料を小惑星に求めることで太陽系、
  さらには地球の生命の起源へ迫る。
 ・技術的意義:はやぶさで培った技術を元に、より確実な宇宙探査技術の確立を目指す。

はやぶさ2概要
はやぶさ2の概要。先ほどのニューホライズンズと比較すると機体の重量は重いですが、大きさは小ぶりです。

前作のはやぶさをモデルに、搭載している通信系やイオンエンジンなども改良されました。機体の傾きを調節するリアクションホイールも2基から4基搭載、小惑星に着陸させる小型着陸機も増えました。

爆破探査
今回は爆破探査で、小惑星の中にあるサンプルを採集するのが目的です。小惑星の表面の岩石は太陽の強烈な光と熱に晒されていて変質しているので(表面が日焼けしている状態)、表面以下の小惑星の中身の部分は太陽系の形成過程の頃の物質を留めていると予測されているためです。

今回目指す小惑星は「1999 JU3」という名前で、前回のイトカワよりも大きいです。地球に近づく小惑星(地球近傍小惑星)です。水があるかも?と予想されています。
 →小惑星内部の物質が分かれば、これまでの観測結果が一気にひっくり返るかも?
  サンプルを取る意味もそこにある。

はやぶさ2の現在の予定
 →・2014年12月3日に打ち上げ成功!
  ・2014年6月2日にはイオンエンジンによる連続運転開始に成功!←現在ここ
    →2015年12月3日に地球スイングバイ
     (地球の重力を利用して、探査機の軌道、速度を変えます)
     ・2018年6,7月頃に目的の小惑星に到着予定。
・現在の所は非常に順調だが、前のはやぶさの時のように何かが起きるかもしれない。
しっかり見守ろう。

次は、はやぶさと福島の縁について。「はやぶさ」は、JAXAを中心として、そこに部品を納入したり、ソフトウェアなどを製作した企業が全国に約180社あります。はやぶさプロジェクトには多数の大学、研究機関から研究者、技術者が加入し、開発や検討、解析作業を行なってきました。「はやぶさ」と「はやぶさ2」は、JAXAはもちろんのこと、日本中の技術者科学者の力が結集してできた、まさに「日本の探査機」です。実はそこには福島県の力も入っています。

会津大学(会津若松市)→小惑星イトカワの形状をコンピューターで再現したモデルを作成、安全な着陸に寄与した。現在、はやぶさプロジェクトに携わった教員が6名在籍している。日本でも有数の月、惑星探査の拠点。はやぶさ2の赤外線カメラ主任研究者は、本学の北里准教授。
福島高専(いわき市)→福島高専に所属していた道上道広准教授(現在は近畿大学)は、イトカワの表面状態を衝突実験から推定。従来は砂が多いと思われていた小惑星の表面に岩があってもおかしくないことを見出した。
古河電池(いわき市)→宇宙用として初めて使用するリチウムイオン電池の開発を実施。はやぶさの通信が途絶え、一時すべての電源が落ちた際にバッテリーを再充電するための技術協力を行なった。
・藤倉航装(田村市)→はやぶさ、はやぶさ2の回収用カプセルが最後に地上に降り立つときに大気圏内で使用する、パラシュートの製作を担当。
・NECネットワークプロダクツ(福島市)→はやぶさ、はやぶさ2の姿勢制御系の機器の電源部分を担当した。内部に搭載される「ハイブリッドIC」という特殊なチップ製造も担当している。
・日本工機(西郷村)→はやぶさ2の目玉といえる、衝突装置の容器と鋼板の製作を担当。

探査機の話のまとめ。
・そもそもはやぶさ2は市民の声から生まれた。
 →なんども予算危機に見舞われながら、多くの人たちの「次の小惑星探査の実現を」という声によって大きく動いた。2700万円の寄付が集まり、その寄付金ははやぶさ2本体の底部の岩石採取確認用のカメラとして使用された。
・「サポーター」という文化
 
→悪いことには悪いといい、しっかりとした知識を持った応援集団の存在は、「中の人」には本当に心強い。
・しっかりと情報をキャッチしていくことが必要。
 →情報が出てこないようであれば、情報を出すように声を上げることも必要。せっかく探査が盛り上がってきた今こそ、次の探査についてみんなで考えていくことが必要。

日本惑星協会
また、2011年からしばらく休止していた日本惑星協会も再始動しました。(日本惑星協会は国際的なNPO、惑星協会と連携関係にあります、惑星協会の設立者は無人惑星探査機計画を推し進めた天文学者、SF作家の故カール・セーガン氏です)太陽系を中心とする宇宙開発の啓蒙活動に取り組んできたNPOですが、JAXAなどへの提言の他、自ら探査計画を立案するなど市民が主体となった宇宙開発・宇宙科学を目指す団体です。惑星協会は複数のソーラーセイル実験機の開発を行っています。寺薗先生も日本惑星協会の評議員として、運営に参加しています。

また寺薗先生が編集長を務めている月、惑星探査に関する総合情報サイトで月探査情報ステーションがあります。情報を知りたい方はぜひいらしてください。→http://moonstation.jp/ja/index.shtml 
・ツイッター→月探査情報ステーション@moonstation_jphttps://twitter.com/moonstation_jp
月探査情報ステーション

著書「惑星探査入門」も発売中です。分かりにくいとされる惑星探査をやさしく知ることができる本です。
惑星探査入門

時間が余ったのでローウェル天文台の事についてのお話。このローウェル天文台が建てられているのはフラッグスタッフという高原都市で、アメリカ・アリゾナ州北部に位置しています。冷涼で空気が澄んでいる土地で、また多種多様な火山灰や堆積物が存在しているため地質学、惑星地質学の拠点となっています。ローウェル天文台の名前の由来はパーシバル・ローウェルという天文学者です。ローウェルは主に火星の研究に打ち込み、まだ未知の惑星だった冥王星の存在を予想した学者です(その後にクライド・トンボーがローウェル天文台で冥王星を発見しました)
冥王星望遠鏡の建物

冥王星を発見した望遠鏡は非常に大きく、当時は写真乾板を使用して星の研究をしていました。中のドームは木製です。ローウェル天文台のドームも同じく木製で、手動でドームの位置調節をしています。
冥王星発見の望遠鏡

種子島宇宙センターのはやぶさ2の打ち上げ。この日は約1000人ほどの観光客が集まりました。
はやぶさ2打ち上げ

お話してくださった寺薗先生、どうもありがとうございました。