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『からころ』『福島第一原発と地域の未来の先に…』(初心者向け)

今回は医療情報を分かりやすく扱ったフリーマガジン『からころ』と福島第一原発の今と昔を解説する『福島第一原発と地域の未来の先に…』の本、2つを紹介したいと思います。

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からころさんは主に医療施設の病院、薬局で置かれている事が多いですが、過去のバックナンバーは公式サイトで記事を読むことができます。
・配布施設
http://karacoro.net/facility/
・過去の記事(バックナンバー)
http://karacoro.net/backnumber/
雑誌内の記事、『よくわかる医療最前線』では小児白血病の最新治療、すい臓の病気の最新治療などを取り上げてやさしく解説しています。その他の記事では、発達障害の事も解説しています。雑誌の最後の方に掲載している『からころ通信』では、患者さんの闘病記の体験や精神科病院で訪問看護に従事していた宮子あずささんからのアドバイスも見る事ができます。医療の専門知識がない方でも分かりやすく読めるフリーマガジンなので、気になった方は一度公式サイトをご覧下さい。
http://karacoro.net/

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『福島第一原発と地域の未来の先に…~わたしたちが育てていく未来~』は福島第一原発と一般の人々をつなぐ活動をしている一般社団法人AFWさんが出している冊子です。冊子内の文章を書いているのはAFW代表理事をしている吉川彰浩さんです。以前に吉川さん主導で福島第一原発の視察を行った記録を掲載したブログ記事もあるので、興味ある方はよければご覧下さい。
http://inakafe.blog.fc2.com/blog-entry-58.html
http://inakafe.blog.fc2.com/blog-entry-53.html

また、この冊子を購入したい方はAFWさんで自家通販を行っているので、こちらのサイトをお読みの上お願いします↓
http://a-f-w.org/report/info/3754/

以下、冊子の内容を要約して掲載します。

『現在の福島第一原発がある場所は昔は小さな集落があり、第二次世界大戦中では特攻隊を育成する帝国陸軍の飛行場(磐城飛行場)に使われていました。今でもその歴史を伝える石碑が敷地内に残されています。この場所は断崖絶壁で隔てられ、海と山に挟まれた地形であったため、漁業と農業が発展する事ができませんでした。家族を養うために東京に出稼ぎへ行く人が多かったため「東北のチベット」とも呼ばれていました。

時代の変遷と共にエネルギーの中心も、木炭から石炭、石炭から石油、石油から原子力へと移り変わってゆきます。北茨城市~いわき市~双葉郡富岡町まで広がった常磐炭田などの炭鉱も閉山されました。戦後の高度経済成長期、第一次オイルショックなどの様々な要因により日本で電子力発電所を作る動きが起き、議論の末双葉郡大熊町と双葉町にまたがる形で福島第一原子力発電所が作られていく事になりました。

福島第一原発の一番古い1号機は1971年から発電を始め、この場所で作られた電気は関東・首都圏へすべて送られていました。電気は東北で使われることはなく、遠く離れた地域でたくさんの人の暮らしや生活を支えてゆきます。そして大切なことはこの電気は間違いなく誰かの役に立っていたということです。

福島第一原子力発電所が電気を安全に作り続けて行くためには、沢山の人の協力が必要でした。発電に必要な機器を点検する人、食堂を切り盛りする人、発電所をテロから守るために警備をする人など多岐にわたります。数千人の人が常に大切な役割を持っています。東京電力という会社の社員だけで成り立つ場所ではありません。この地域でたくさんの雇用を生み出しましたが、同時に、地域の人によって支えられていた場所でもありました。

この場所で働く人たちのほとんどは、何十年と発電の仕事を続ける中で、地域や町の中で一緒に暮らす関係になってゆきます。発電所の敷地内には働きやすい職場や、体育館や運動場、野球場やテニスコートが作られ、スポーツを通した交流も盛んに行われました。発電所内で働く人たちが運営し、お店を出す「ふれあい祭り」というイベントが発電所で毎年開かれていました。地域の人達や発電所で働く人達の家族が訪れ、小さな子供達にとっても楽しみの一つになっていました。地域から見ると、この場所は首都圏に電気を送る場所というよりも、家族を養うために働く場所であり、地域発展の中心の場所でもありました。』

この後は震災、原発事故の混迷やその当時の状況の説明が詳しく書かれています。

『福島第一原発で働く人達は電気を作るための仕事をしてゆきました。これからは、放射線を出すゴミを片付けながら事故処理を同時並行で行う「廃炉作業」へと変わっていきます。未知の領域です。培った技術や知識に加えて、新しい知識、技術が必要になります。長く続く廃炉作業、そこで働く人達が専門職として働けるように「廃炉のプロ」への育成が始まっています。

万全の対策が必要な場所はまだ残っていますが、普通の格好でいられる、もしくは軽装の放射線防護対策でいられるエリアを増やしていきました。今でも、発電所構内の一部では普通の服装でマスクもいらない場所もでき、敷地全体では約96%のエリアで軽装でいられるようになりました。

放射線被ばくに対する環境が良くなっていく中、労働環境の整備も進められ、新しくオフィス・休憩所が建てられ、食堂・コンビニなども作られています。この場所ではマスクもいりません。作業中の怪我に対応するための救急施設や緊急時のドクターヘリ用のヘリポートが作られるなど、安心して働ける環境が整ってきました。

そういった働きやすさが増す一方で、事故で始まった廃炉作業ゆえに、中には誇りとやりがいが持ちにくい状況の人達がいます。「事故は起きない」という約束を破ったという、罪の意識が残り続けているからです。廃炉作業は何十年もかかるからこそ、福島を、地域を良くしていきたいと新しく加わる人達もどんどん増えていきます。廃炉を進める事で、地域や原発を、安全で信頼できる場所に変えていける人達だからこそ、誇りとやりがいを持って働いていける環境を作って行かなくてはなりません。』

『福島第一原子力発電所と地域のこれからは、バトンの渡し方を模索し続ける姿そのものです。誰もが次の世代へ渡すバトンを持っています。渡し方が見つからなく迷ってしまう時はきっとあります。そんな時にこの場所の歴史に触れてみてください。あなたにとっての大切な人生の学びが、見つかりますように。』

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2020年今年もありがとうございます

早いもので2020年今年もあとわずかになりました。残念ながら今年はコロナ禍のためほとんど猪苗代サイエンスカフェの活動が行えず、期待されていた方には申し訳ありません。まだ見通しが立たないので、当面の間しばらくは活動を自粛したいと思います。すみません。来年もよろしくお願いします。

今年もふくしま再生の会さんから新米を購入させて頂きました。いつもありがとうございます。
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放射性物質検査について。今年の検査結果も全て検出限界値未満でした。
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また、昨年まで新米はふくしま再生の会からご縁のある方々にお配りしてきましたが、
今年から試験的に販売を始めることとなりました。
販売は「合同会社虎捕の郷」が行っています。
※虎捕の郷は、風と土の家の運営など行う村民の会社です。

お米の注文は
https://bit.ly/37A1fyH
からお願いします。ご興味ある方は上の注文フォームからどうぞ。

関西えるかふぇ「いちから聞きたい放射線のほんとう」に行ってきました。

しばらく今年のサイエンスカフェ活動は休止する予定ですが、代わりにこちらのブログ記事を不定期に更新したいと思います。更新はまちまちになりますが、箸休めとしてご覧頂ければ幸いです。今回の記事は2016年12月11日に関西えるかふぇで開催された「今だからこそ聞きたい放射線のはなし~情報にふりまわされないために~」に行ってきた記録になります。講師は大阪大学サイバーメディアセンター教授、菊池誠先生です。今回の記事のお話は2016年当時のものになります、ご注意ください。

●放射線について学び、今の状況を理解しよう
・人間の思惑と関係ないし、はっきりわかっている放射線の物理
・人間の思惑と関係ないが、少しわからない放射線の生物学(でも、かなりわかっている)
・人間が判断するリスクの捉え方
・ある程度人間がコントロールできる「現状」
・原発の是非と今の被曝状況は関係ないこと

●原子と放射線の話
・ものはみんなつぶつぶ(原子)でできている!目に見えない原子が世の中を作っている。
・原子の成り立ち:原子の中はすかすか、原子核と電子が原子を作っている。原子核を作っているものは陽子と中性子。電子はマイナス、陽子はプラスの電気を持って引きつけあっている。

・セシウム137なら…原子の種類は陽子の数で決まる。
セシウム137①


セシウム137②
・中性子の数だけが違うものは同位体。

・同位体の中には原子核の元気がよすぎてやるせないものがある。やるせなさの発散が放射線。
・セシウムなら133→自然にある、放射線なし(体に数mg存在する)。134→原発から出る。放射能あり。137→原発から出る。放射能あり。

・放射性物質の例。カリウムは人間の体に必要な元素。ストロンチウムは微量元素として体内に存在する。
放射性物質の例

放射線の種類…
・アルファ線:陽子と中性子2個ずつのかたまり。
・ベータ線:電子。
・ガンマ線:強い光、X線みたいなもの。どれも小さいつぶつぶ。勢いよく飛んでいくので害がある。止まった放射線には害はない。

・放射性物質が出す放射線の例。トリチウムは放射線を出す水素。核実験や、宇宙を飛び交う高エネルギーの粒子である宇宙線で発生する。べータ線を出すと別の元素に変わる。
放射性物質が出す放射線の例

ベータ線→勢いよくぶつかっていった電子はそのあとただの電子になる。ぶつかる相手は原子。ベータ線を出すと別の元素に変わる。アルファ線やベータ線を出してもまだ元気がありあまっていると、やるせなさエネルギーはガンマ線になる。

●だいじなこと…セシウム137ならベータ線とガンマ線をひとつずつ出すと、もうそれ以上放射線を出さない。ストロンチウム90なら、ベータ線をふたつ出すともうそれ以上放射線を出さない。

・半減期…放射性物質は放射線を出して別の原子に変わるので、どんどん減っていく。半分に減るまでの時間が半減期。
半減期
1個または2,3個のセシウム原子の場合だと確率もあるため、半減期通りに必ず放射線を出して減る訳ではない。

放射性物質の半減期の例
半減期の例
カリウム40は地球ができたときから残っている。カリウム40の原子1個が出す放射線はセシウム137よりも強い。

・ヨウ素131はとっくに無くなっている(初期被曝の中心)。セシウム134も最初の1/4に減っている。現在、セシウム137が主に残っている。

●単位の話
・ベクレル(Bq)…食品中・地面・体の中などにある放射性物質の量を表す単位。1秒間に何個の放射性物質が放射線を出すか表している。大人の体の中には4000Bqのカリウム40が存在しており、食事から約100Bq摂取している。食品の基準は、食品1kgあたりセシウムが100Bqまで。この基準値の値は世界標準の数値の1/10。

セシウムの生物学的半減期
セシウムの生物学的半減期
生物学的半減期は動物、魚(淡水魚、海水魚)の種類によって違う。体に入ったセシウムは排泄されて出ていく、水俣病を起こした水銀とは違う。水銀は尿などで排出されず、消化できない。

●自然放射性物質と人工放射性物質は違う?
・放射線による被曝という意味では同じ。原子核の種類によって放射線のエネルギーが違う。
・外部被曝(外にある放射性物質が出す放射線を体の外から浴びること)はどちらとも同じ。
・内部被曝(食べたり吸い込んだりした放射性物質が体の中で出す放射線を受けること)は原子の種類で体のどこに溜まるかが違う。ヨウ素131は甲状腺、ストロンチウム90は骨にたまる。セシウムはカリウム40とよく似ており、筋肉全体にたまる。

ややこしいシーベルト(Sv)
・実効線量:体全体が受ける影響の大きさ(Sv)
・空間線量率:外部被曝の放射線の強さ(Sv/毎時)

危険度の目安(実効線量)
・10Sv‥短時間に浴びると死ぬ
・1Sv以上‥短時間に浴びるとすぐに影響が出る
・100mSv以上(0.1Sv)‥短時間に浴びると軽い影響がある。胎児が浴びると先天性異常の可能性がある。発ガンリスクが上がる事がわかっている。
・100mSv以下(低線量)‥発ガンリスクが上がる可能性があるが確認できない。発ガンのリスク以外は考えなくていい。

ガンで亡くなるリスクは100mSvにつき0.5%が目安。
がんのリスク

●とても大事なこと…被曝は「あるかないか」ではなく、どれくらい被曝するかという「程度」が問題。多ければ危険だし、少なければ問題ない。何もなくても年間2mSv程度の自然被曝がある。

ガンの問題
・DNAは普通に暮らしていても毎日たくさん壊れて、治されている(1細胞あたり毎日数万カ所)。たいていの損傷は修復される。放射線を受けると少し多く壊れる。とても運の悪い壊れ方をすると、ガンの原因になる。

自然被曝
・地面から出てくる放射線による外部被曝、宇宙線による外部被曝、食品中に含まれる自然放射性物質による内部被曝がある。
・普通に暮らしているだけで、年間2.1mSvほど被曝する。西日本は地面からの放射線が多い。体内には6500Bqほどの放射性物質が存在する。

日本の年間自然被ばく量の内訳
年間自然被ばく量のうちわけ
ポロニウムは魚を食べる割合が多い高知県で摂取量が多い、ラドンは肺がんのリスク因子。

・大気圏内核実験(1960年代)…世界中にストロンチウム90やプルトニウムが降った。今も全国でプルトニウムが検出される。

年間追加被曝1mSvってどれくらい?→安全と危険の境目ではない。
・ヨーロッパには日本よりも年間数mSv多く外部被曝するところがある。年間1mSvは外部被曝の地域差程度。
・アメリカまで飛行機で6往復すると1mSv。
・食品の基準値の場合、基準値ぎりぎりのものを1年間食べ続けたとしても内部被曝は1mSv。内部被曝1mSv分のセシウムは50000Bq以上。

ICRP勧告
・事故後に放射性物質がまき散らされた状況:年間追加被曝20mSv以下で段階的に下げる(除染など)
・平時の状況:年間追加被曝1mSv以下。ICRP勧告は日本の法律には取り入れられていないが、政策の参考にされている。日本には「平時の基準が年間1mSv」という決まりはない(よくある誤解)

食品の基準について‥食品1kgあたり放射性セシウムが100Bqまで。子ども用食品はもっと低い。根拠:食品の半分が基準値ぎりぎりまで汚染されていても、すべての年齢で年間内部被曝が1mSvを超えない。

食品の基準についての誤解いろいろ
・日本の基準は緩い→世界標準の値CODEXやEU、アメリカの基準値は日本の10倍緩い。日本の基準値は世界的に見てとても厳しい。
・原発事故前より基準を緩めた→事故前には基準値は無かった。輸入品については1kgあたり370Bqで今より高い。
・恐ろしいストロンチウム90を無視している→ストロンチウム90がセシウムの10%あると仮定して決められている。現在では、原発事故由来のストロンチウムはほとんど検出されていない。
・1kgあたり100Bqは多過ぎる→非常に厳しい基準だが、そもそもほとんどすべての食品は放射性物質不検出の状態が続いている。

福島での現状
・外部被曝:ほとんどの人は年間追加被曝1mSv以下(実測)。福島での被曝量はヨーロッパと変わらない程度。
・内部被曝:米の全袋検査で100万袋のほぼすべてはセシウム不検出。基準値超えは無し。生協の食事検査でほぼすべての家庭がセシウム不検出。

米の全量検査‥福島県で生産される米はすべて放射性物質の量を検査され、基準値以下のものだけが出荷される。実際は1000万袋のうち99.99%がスクリーニング検出限界未満。2015年は基準値を超えたものなし(確定)、2016年も950万袋時点で基準値超は0(継続中)。米にセシウムを吸収させない栽培法が確立している。

陰膳検査
・コープふくしまが100世帯の食事を詳細検査した結果、2016年に1kgあたり1Bq以上のセシウムが検出された家庭はない。年間内部被曝は多くても0.001mSv。ほとんどの家庭は福島県産も含めて、普通の流通食品を食べている。流通食品を食べている限り、内部被曝は無視できる。

●私たちは子供を産めますか?
・福島で子供を産み育てることは、他の地域で産み育てることと違わない。放射線と関係なく、子供の先天性異常は一定の確率で発生する。
・原爆2世調査で遺伝的な影響は見つかっていない、先天性異常も永久不妊も遥かに高い被曝量で生じる。
・他の地域と変わらないと即答するのは大人の義務。

以下は質疑応答&その他のお話です。
・1960年代で発生した大気圏内核実験の時のストロンチウム、セシウム、プルトニウムは今でも日本全国で検出される。福島県外のきのこにはセシウムも含まれている。
・胎内被ばくで健康影響が起きるのは、短時間で100mSv以上の時。
・チェルノブイリと福島の原発事故では放出された放射性物質の種類、量が違う。汚染面積、量がチェルノブイリより1桁少ない。
・放射能はうつらない、根底にハンセン病などの忌避と同じような穢れ思想がある。
・100mSv以上の被ばくの健康影響→原爆2世調査により、小頭症(奇形)の子どもが広島で見られた。放射線の胎内被ばくの影響と遺伝的影響は違う。
・甲状腺がんは増えているが、今までの日本全国の調査で他の比較対象と比べる術がない。甲状腺の被曝線量は最高で50mSvが確認されているが、事故由来の放射線被曝のものはおそらく見つからないだろうと予測されている。専門家の見解と報道の乖離が激しい。
・チェルノブイリで甲状腺がんが原因で亡くなった人は数人。隣国ベラルーシで当時発生した甲状腺がんは、数十%は過剰診断ではないか?すべて事故由来とは言いがたい。
・韓国では大人の甲状腺がん診断により発生数は急激に増えたが、生存率は変わらない。

また、ニセ科学に関する事も資料で少しお話されていました。資料の「ニセ科学とつきあうために」はこちらで詳細がありますので、興味ある方はご覧ください。http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/nisekagaku/gifu200704.pdf なお、上記のお話は菊池先生の書籍「いちから聞きたい放射線のほんとう:いま知っておきたい22の話」に詳しく書いてありますので、調べたい方やもっと知りたい方は本のほうもご覧下さい。http://urx3.nu/GKvx

菊池先生のお話についてご指摘、ご意見があったので、補足として以下に書いておきます。詳しく知りたい方はこちらの補足をご覧下さい。

>・半減期…放射性物質は放射線を出して別の原子に変わるので、どんどん減っていく。半分に減るまでの時間が半減期。

場合によっては放射線を出す子孫核種に変わり、一時的に増える。

> 食品の基準は、食品1Kgあたりセシウムが100Bqまで。この基準値の値は世界標準の数値の1/10。

ミス・リーディングだと思います(指標値の違いでは前提の違いを考慮する必要がある)。

> 生物学的半減期は動物、魚(淡水魚、海水魚)の種類によって違う。体に入ったセシウムは排泄されて出ていく、水俣病を起こした水銀とは違う。水銀は尿などで排出されず、消化できない。

成長期の骨などへの蓄積も考える必要がある。

> ポロニウムは魚を食べる割合が多い高知県で摂取量が多い、

環境省の統一的な基礎資料のデータが過大評価なのでは? 「高知県」は本院のデータだと思いますが、そもそも高知県で線量が高いとは主張していないです(偶然変動によるものなのでは?)

> 日本には「平時の基準が年間1mSv」という決まりはない(よくある誤解)

計画被曝状況での公衆の線量限度は1 mSv(実効線量)ではないのか?

食品の基準についての誤解いろいろ
> ・日本の基準は緩い→世界標準の値CODEXやEU、アメリカの基準値は日本の10倍緩い。日本の基準値は世界的に見てとても厳しい。

濃度で見るとより低い値を使っているところがあります。https://ndrecovery.niph.go.jp/qaspot.php?record_id=1070 「日本の基準値は世界的に見てとても厳しい。」とあるのは、表面的すぎるのではないでしょうか。

> ・原発事故前より基準を緩めた→事故前には基準値は無かった。輸入品については1kgあたり370Bqで今より高い。

輸入品の原産地を限っていました。 https://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/hassyutu/2009/dl/091218-1.pdf

> ・1kgあたり100Bqは多過ぎる→非常に厳しい基準だが、そもそもほとんどすべての食品は放射性物質不検出の状態が続いている。

どのような方を想定するかによるところだと思います(検出する食品でも価値があるものをリスクを理解して食しておられる方々のことへの配慮が必要ではないでしょうか)。

> 陰膳検査
> ・コープふくしまが100世帯の食事を詳細検査した結果、2016年に1kgあたり1Bq以上のセシウムが検出された家庭はない。年間内部被曝は多くても0.001mSv。ほとんどの家庭は福島県産も含めて、普通の流通食品を食べている。流通食品を食べている限り、内部被曝は無視できる。

流通食品の濃度が最適化されているでしょうか?流通食品以外は危険かも?

>以下は質疑応答&その他のお話です。
・1960年代で発生した大気圏内核実験の時のストロンチウム、セシウム、プルトニウムは今でも日本全国で検出される。福島県外のきのこにはセシウムも含まれている。

静岡県のキノコの放射性セシウムでも1F由来の寄与が小さいものがあります。https://ndrecovery.niph.go.jp/qaspot.php?record_id=577

> ・ヨーロッパには日本よりも年間数mSv多く外部被曝するところがある

ラドンの対策が講じられていることがあります。

>・100mSv以下(低線量)‥発ガンリスクが上がる可能性があるが確認できない。

最近の知見では、子どもの甲状腺がんの罹患率が直線仮定に沿った増加の結果が見られたとの論文が発表されたようです。
https://doi.org/10.1210/jc.2016-3529
小児の低線量放射線曝露により誘発される甲状腺がんリスクの線量との関係は、放射線防護において使われている「合理的に達成可能な限り低く」の考え方を用い、直線仮定を適用することが最も妥当であることが再確認された。

>・甲状腺がんは増えているが、今までの日本全国の調査で他の比較対象と比べる術がない。甲状腺の被曝線量は最高で50mSvが確認されているが、事故由来の放射線被曝のものはおそらく見つからないだろうと予測されている。専門家の見解と報道の乖離が激しい。

見出されている地域差に関する説明が必要なところなのでは?(過剰診断のリスクも真面目に扱う必要がある)。

当日お話してくださった菊池先生と関西えるかふぇのスタッフの皆様方、他の参加者の皆様、お付き合い下さりどうもありがとうございました。


猪苗代サイエンスカフェ今年の活動お知らせ

 次回の企画ですが、新型コロナウィルス感染拡大防止のため来年以降に延期して実施したいと考えています。現在、福島県でも他県の行き来や越境を控えるよう要請が出ている事なども含めスケジュールが先行き不透明なのもあって、今年中はサイエンスカフェ活動を休止したいと思います。

 情勢を見ながら、随時詳細を決めたいと考えてますが企画開催の目途ができましたらまたお知らせします。楽しみにしていた皆様方、申し訳ありません。

2019年度の会計報告

2019年度の活動報告、計上報告を報告させて頂きます。

・5月
サイエンスカフェ「知っとこう、女性の健康と病気の事」
http://inakafe.blog.fc2.com/blog-entry-90.html

・9月
サイエンスカフェ「渋川春海と暦のはじまり~天文学と会津のつながり~」
http://inakafe.blog.fc2.com/blog-entry-92.html

●計上報告
・収入:5,000円
・支出:86,232円
(支出には猪苗代サイエンスカフェブログ英語版の翻訳費なども含みます)

頂いた参加費は猪苗代サイエンスカフェの活動費(講師の謝礼金、会場費、交通費、雑費等)に当てさせて頂きます。