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9/29(日)サイエンスカフェ「渋川春海と暦のはじまり~天文学と会津のつながり~」の開催お知らせ


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●今回のサイエンスカフェでは、江戸時代の科学史(科学の歴史)において重要な人物、渋川春海について取り上げます。渋川春海は映画化、漫画化された冲方丁先生著作 「天地明察」 の 主人公であり日本独自の暦、カレンダーの元を作った天文学者です。 そして会津に縁がある人物でした。

江戸時代は天文学 、測量術、数学の技術 、文化 が向上した転機の時期であり、 諸藩の地図作成による国絵図や和算、 算額絵馬なども多数生まれました。また、最近になって江戸時代の日本天文遺産第1号として会津日新館天文台跡が認定されました。 今回の講師である佐藤賢一先生に、渋川春海と江戸時代の天文学の事などをお話して頂きます。参加申込は下記のこくちーずプロから申込み手続きをよろしくお願いします。部分的な参加でも大丈夫なので興味ある方はどうぞお気軽にご参加ください。

↓参加申し込みはこちらのこくちーずプロのページでお願いします
https://www.kokuchpro.com/event/635f8c36ac2011519849b8a173e36143/

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●開催日:9/29(日) 午後2:00~4:30
●会場:しおやぐら http://sioyagura.la.coocan.jp/
※車で来る方はしおやぐら隣接の駐車場(はじまりの美術館共用)か近くの中央商店街パーキングをお使いください。
●定員:15名(申込み先着順)参加費:500円
●講師:佐藤賢一先生(電気通信大学大学院 情報理工学研究科 教授)

※当日、宮城県の復興支援募金箱を設置する予定です。
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午後5:30からはおもてなし処わたやhttps://www.wataya-inawashiro.com/で懇親会を行います(講師の佐藤先生は在席しません)。懇親会に参加する方は詳細をご確認の上、こくちーずプロでの参加申し込みをお願いします。

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5/19(日)サイエンスカフェ「知っとこう、女性の健康と病気のこと」のレポート

5/19(日)に郡山のコワーキングスペースco-ba koriyamaさんで、サイエンスカフェ「知っとこう、女性の健康と病気のこと」を開催しました。今回は日程の都合が悪く参加できない方が多く、こじんまりとした会になりました。

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今回のお菓子は、郡山の和菓子屋さん「大黒屋」http://www.koriyama-daikokuya.com/のフルーツゼリー(白桃、甘夏)と「中野屋」https://www.fukulabo.net/shop/shop.shtml?s=5484のフルーツゼリー(くず万十、甘夏、ブルーベリー)をお出ししました。
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大黒屋さんのフルーツゼリーですが、容器はプラスチックで実際に桃を保護する緩衝材を付けていて中はこのような感じになっています。(テープを取り外す時に容器の塗装がはがれちゃっています)

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講師の山本佳奈先生には著書「貧血大国・日本 放置されてきた国民病の原因と対策」http://urx.blue/WoATから貧血問題、その後に海外の渡航者が注意するべき狂犬病、ご自分のご家族の経験から認知症のことをお話して頂きました。(以下スライドの写真の画質が悪いものが多いですがご容赦ください。)
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山本先生は新聞への寄稿、雑誌やネット媒体での取材やコメント、アエラドットでの連載https://dot.asahi.com/columnist/profile/series/?page=1&series_id=y-ikentecho、TVやラジオ出演も含め医学生の頃から発信を続けています。また、子宮頸がんなど女性の病気に関する小冊子を執筆、発行しています。
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●そもそも「貧血」って?
「体内の末梢組織に十分な酸素を運ぶだけの赤血球の量が維持できていない状態」ウィントローブ臨床血液学 第12判より。言い換えると貧血は「体内の組織が酸素不足」である状態。
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鉄欠乏や鉄欠乏性貧血は世界的な問題・commonな疾患です。
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貧血の診断に最も使用する指標は「ヘモグロビン濃度」。WHOの定義によるとヘモグロビン濃度が
・成人男性:13.0g/dl未満
・成人女性:12.0g/dl未満
を貧血と定義する。

貧血になるとどうなるのか?→頭痛・めまい・肩こり・倦怠感・息切れ・動悸…。仕事に集中できない、氷を年中食べてる、肌荒れ、枝毛など。貧血の状態の人は氷の他、せんべい、固めのクッキーなど固いものを食べたくなる異食症もあります。また、鉄分が体から出る量が多いのは女性の場合、生理の初日と2日目でヘモグロビン濃度の値がかなり減少します。ちなみに、学校の朝礼など気分が悪くなる人は貧血の他、自律神経失調症の可能性もあるとの事です。
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ハーバード大学の研究者による報告…妊娠初期から中期にかけて貧血だった妊婦の子どもは低出産体重児のリスクが1.29倍、早産のリスクが1.21倍に。精神発達、運動発達に影響がある可能性も。日本の妊婦の30~40%は貧血→ちなみに先進国の妊婦の貧血の平均は18%。アメリカ、カナダでは鉄と葉酸の摂取を勧めている。

●貧血の治療→鉄材内服または鉄剤静注(静脈注射)。定期的な血液検査を行いながら、ヘモグロビンや貯蔵鉄が十分な数値になるまで治療を継続する。貧血の治療は、内科などで受けれます。貯蔵鉄が十分な数値になるのに、約半年かかるとの事です。
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スイスのチューリッヒ大学病院の報告→貯蔵鉄が足りない、またはヘモグロビン濃度の数値が十分でない女性を対象に、鉄剤静注を行った所、82%が全身倦怠感の改善があった。

スイスの研究者による報告→貯蔵鉄が足りない、またはヘモグロビン濃度の数値が十分でない女性(18-40歳)を対象に、鉄剤を14日または28日内服させた。毎日、鉄剤を飲んでいた人より間を置いて隔日飲んだ人の方が、鉄吸収率と累積鉄吸収量の値が良かった。

●「狂犬病」は「イヌ」にだけかまれると感染すると思っていませんか?イヌが感染しないようにワクチン接種している病気じゃないの?と思っていませんか?

「狂犬病」で女性が一人死亡しました。5月11日のニュース→フィリピンを旅行中に子犬に指をかまれた24歳のノルウェー人女性が帰国後「狂犬病」を発症した後、死亡した。狂犬病の予防ワクチンを接種していなかったにもかかわらず、かまれた後も狂犬病に対して未治療のまま、帰国。その後体調を崩し死亡に至る。

狂犬病とは?→狂犬病ウィルスに感染している動物にかまれたり、傷口や粘膜をなめられることで唾液が体内に入り、ウィルスが侵入してくることで感染する。世界150カ国以上の国と地域で発生している。海外ではほとんどの国で感染する可能性がある病気。狂犬病の年間推計死亡者数は5万5千人。そのうちアジア地域が3万1千人、アフリカ地域が2万4千人。ヒトにおける狂犬病の感染源の99%がイヌであった。

●イヌだけじゃない!
ヨーロッパ:キツネ、コウモリ
アジア:イヌ、キツネ、コウモリ
アフリカ:コウモリ、マングース、ジャッカル
北米:アライグマ、スカンクなど
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狂犬病に感染し発症すれば、ほぼ100%死亡する‥。ヒトからヒトに感染する事はないため、感染した患者から感染が拡大することはない。

●もしかまれてしまったら‥?
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早急に大量の水で傷口を徹底的に洗うことが大切→その上でワクチン接種が必要となるため、すぐに病院へ。なるべく早く摂取する。
・予防接種を受けていなかった場合、初回接種日を0日として3日、7日、14日、30日、90日の計6回のワクチン接種による発症を予防可能。
・予防接種を受けていた場合、接種初日と3日後の2回のワクチン接種が必要。

●どうすれば狂犬病を予防できるの?
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狂犬病後の有効な治療法は現時点ではない。旅行先で野生動物に近づかない、渡航前の狂犬病ワクチン接種が大切。4週間隔で2回接種、6~12か月後に3回目の摂取→狂犬病に対して1年から1年半の予防効果。渡航前までに3回接種を終える時間が無さそうだという場合、2回だけでも摂取して渡航しておくとよい。狂犬病の予防接種は内科、トラベルクリニックなどでできる。予防接種は1回約1万円ほど、ワクチンの在庫には限りがあるのでなるべく早めの計画を。

●日本人は長く座りすぎ‥
シドニー大学の研究者たちが世界20カ国の成人を対象に、平日の座位時間について調査した結果、日本人が最長で1日420分=7時間であるとわかった。20カ国中で最も長い結果だった。

・座って過ごす時間が長いと死亡リスクが高まるという‥
米国がん協会(ACS)のAlpa Patel氏らが実施した研究結果より
結果①:余暇を座って過ごす時間が1日に6時間以上の人では、3時間未満の人と比べて全死亡リスクが19%高かった。
結果②:がん、心疾患、脳卒中、糖尿病、自殺、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺疾患、肝疾患、消化器疾患、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋骨格系障害などの死亡リスクが上昇した。
結果③:死亡リスク上昇の程度は死因によってばらつきあり。がんでは約10%の上昇、筋骨格系障害では約60%の上昇。

対処法「1日に何度も立ち上がって歩き回りましょう」
人間は40分しか集中力がもたない、海外では休みにジムに行ったりする。

●この時期、「花粉症」辛いですよね。
全国的に最高気温が3月並から4月並のところが多くなった2月4日、中国や四国、東海地方の一部でスギ花粉の飛散開始が確認。1週間後の2月11日には、東京都大田区でもスギ花粉の飛散を確認。これは昨年より3日早い、過去10年の平均より5日も早い飛散開始。

枯草熱と呼ばれていた花粉症→世界大百科事典によると、以前は枯草熱といわれ欧米でサイロに牧草を入れるときに鼻粘膜のかゆみと痛み、くしゃみ、鼻づまり、鼻汁、涙などの発作を起こすものを指したとのこと。古くは古代ローマの時代から同様の記載があったとか。

花粉症の罹患率は??→平成28年度に東京都が行った「花粉症患者実態調査」によると、都内のスギ花粉症推定有病率(日常生活に支障がない軽症の方も含む)は48.8%。どの年齢層においても平成18年度の前回調査よりも上昇。

●花粉症を悪化させる原因の一つに「ストレス」
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2008年、米国オハイオ州立大学のJanice博士らは花粉症や季節性アレルギーを有する男女28人が参加した試験の結果、「精神的なストレス」や「不安」で季節性アレルギーが重症化または長期化しうることが示唆されたと発表。その他、「タバコや喚起の悪い室内環境における空気の汚染」「春先の黄砂」なども、花粉症の症状を悪化させる可能性があることが指摘されている。タバコなどは気密性が高い部屋のこまめな換気を。

・花粉症とインフルエンザの関係
2018年の韓国のソウル大学病院のJeon医師らの報告によると、アレルギー性鼻炎をもつ人の粘膜はA型のインフルエンザウィルスが感染しやすい事がわかった。ちなみに、花粉が本格的に飛散し始める2週間ほど前から内服を始める初期治療が有効。

●祖母が認知症になりました。
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80歳を過ぎた祖母の認知機能が低下し始めたのは夏頃から。昨年6月18日、朝方に大阪府北部を襲った最大震度6度弱の地震がきっかけのよう‥。身の回りのことをすべて自らやっていた祖母が震災後「一人でいるのは怖い」と言うようになる。だるい、疲れたと言って寝込むことが多くなった。「通帳が無い、お金がない」「お金を盗まれた、薬を(飲んだのに)飲んでいない」「ご飯を(食べたすぐ後から)食べていない」と発言が次第に増加。

・認知症は今のところ完治しない‥
アルツハイマー型認知症の進行を遅らせる薬は開発されているが、根本的に完治させる治療法はない‥。では、認知症を予防するにはどうすればいいのか?認知症のリスクを上げる原因は何なのか?

●認知症に関する調査結果が報告されています。
・喫煙や糖尿病、高血圧とその後の認知症のリスク上昇が関連していたことわかった。

・スウェーデンのヨーテボリ大学のHelenaらが、スウェーデン女性191名を対象に44年間追跡調査→有酸素運動の強度が高いほど、認知症のリスクが減少。
・米国のボストン大学のMatthewらが、45歳以上の脳卒中の患者2888名と、60歳以上の認知症の患者1484名を対象とした調査→砂糖の甘味飲料水は、脳卒中や認知症と関連が無かったもの、人工甘味料の入った飲料水の摂取量の増加は脳卒中や認知症との関連があることがわかった。

●これらの習慣は健康で長生きするための秘訣でもあります。
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Li氏らの米国の成人を34年間追跡した結果より
・健康的な食事
・非喫煙
・毎日30分以上の適度~きつめの運動
・ほどほどの飲酒
・健康的体重(BMI:18.5-24.9)
これら5つのどれもあてはまる中年は、どれもあてはまらない中年に比べて平均して10年以上長生きしうる(50歳の女性は+14年、男性は+12年)ことが判明。

●高齢者の認知症予防のための魔法の得策はない
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・人工甘味料の飲料水を控えること
・定期的な運動
・糖尿病の予防または管理
・健康的な食事と体重の維持
・禁煙
など日々の心がけを行うことが今のところ、認知症の予防や健康に過ごす近道でしょう。ちなみに、公園を約30分歩くだけでもリフレッシュ効果が得られるそうです。

また、この後の質疑応答では
・野菜の摂取は、食物繊維が入っている&血糖値が上がりにくいミキサージュースがおすすめ
・完全菜食、オーガニックの食材しかとらない食生活も問題で肉、魚、卵などもバランスよく食べたほうがよい
・一般的に売られている電子タバコは、普通のタバコと比べて体の影響がまだよく分かっていない
・海外ではピル、アフターピル(性行為後3日以内に使用)が薬局で普通に売られている‥
といった事などをお話して頂きました。

その後の懇親会では、参加者の方と食事をしながらのんびりお話しました。懇親会の場所のホテルハマツ和食堂 松林さんhttps://www.hotel-hamatsu.co.jp/restaurant/syorin/では、会津木綿の扇子などが売られていました。
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忙しい中お時間を作って下さった山本先生、参加者と会場のスタッフの皆様、ご参加どうもありがとうございました。


5/19(日)サイエンスカフェ「知っとこう、女性の健康と病気のこと」のお知らせ


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●5月になって、ピクニックやお散歩を楽しめる暖かい季節になりました。今回は女性がなりやすい貧血、性感染症、女性特有の病気の子宮頸がんに詳しい山本佳奈先生に病気も含めHPVワクチンの事などをお話して頂く予定です。HPVワクチンに不安を抱えている方や生理、月経に悩みを抱えている方の参加、男性の参加も大丈夫です。どうぞお気軽にご参加ください。参加申し込みは下記の連絡先からメール、またブログからの申込手続きをよろしくお願いします。

●お子様連れの方の参加も大丈夫ですが、託児スペースは用意していませんのでご了承ください。また、時間が合わない方など部分的な参加でもOKです。参加に関するお問い合わせは下記のこくちーずプロのページをご覧の上お願い致します。本イベントの支払いは現金のみなので、各自ご用意お願い致します。

↓参加申し込みはこちらのこくちーずプロのページでお願いします。
https://www.kokuchpro.com/event/d0bc3959faec4b3d2de2d018b99f85bf/





●開催日:5/19(日)  午後2:00~午後4:30
●会場:co-ba koriyama
 〒963-8023 福島県郡山市緑町9−12
https://co-ba.net/koriyama/ 
※車でお越しの方はco-ba koriyama隣接の駐車場をお使いください。
●定員:20人(申込先着順) 参加費:500円
●講師:山本佳奈先生
 内科医 公益財団法人ときわ会 常磐病院非常勤勤務
 女性の総合医を目指し日々研鑽中。ロート製薬健康推進アドバイザー。AERA.dotやAll about、医療タイムスで連載中。手作り冊子「小さな小さな〇〇教室」作成中です。著書「貧血大国・日本 放置されてきた国民病の原因と対策」(光文社)

午後5:30からはホテルハマツ 和食堂 松林https://www.hotel-hamatsu.co.jp/で懇親会を行います(講師の山本先生は在席しません)。懇親会に参加する方は詳細をご確認の上、こくちーずプロでの参加申し込みをお願いします。



リンク追加しました。

ブログ右下のリンクに、国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータである杉山啓さんのブログ「スギヤマケイのコミュニテイセンター」を新しく追加しました。
https://www.k-sgym1116.online/
東京で開催しているサイエンスカフェの情報や全国の博物館、水族館の情報なども書かれています。他サイエンスカフェにご興味ある方はぜひご覧ください。

エネルギーレビュー(中級者、上級者向け)

今回は主に電力、エネルギー関連を取り扱った科学雑誌、エネルギーレビューを紹介したいと思います。こちらの雑誌は定期講読制ですが、店頭販売では丸善丸の内店、八重洲ブックセンターで売られています。公式サイトでは1冊からでも通販、購入可能です。http://www.erc-books.com/ERC/ER/ER-Main-F.html

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原子力を含めた電力エネルギーの国際、国内情勢に関する記事が多いですが、福島第一原子力発電所の廃炉のリポートが巻末に毎号載っていたり、また2019年2月号の記事では北海道胆振東部地震に伴って起きた北海道ブラックアウトの分析なども掲載してあります。他にも違う分野で、ジョンソン宇宙センターの視察ルポや鶏肉を生で食べる事で発生するギランバレー症候群の解説、その治療法の紹介などの記事もあります。

2018年12月号の巻頭インタビューでは津波研究に携わる研究者、首藤伸夫先生(東北大学名誉教授)を取り上げています。首藤先生は1960年に起きたチリ津波がもたらした被害調査のため、現地の方と話したことで津波の歴史を詳しく調べ始めたことから、研究に関わるようになったとの事です。以下、インタビューの内容を要約して取り上げさせて頂きます。

-昭和28年災害は大水害とのことでしたが。(注:昭和28年に梅雨による集中豪雨で、主に九州地方北部に発生した昭和28年西日本水害のこと。)
「私は大分県出身ですが、満州育ちなんです。5歳のときに満州に渡り、小学校五年生のときに終戦、翌年に本土に引き揚げてきました。筑後川の氾濫で堤防が何か所も決壊し、その中の1か所は3キロにも渡っていました。当時は満州から帰ってきて、日本は雨が降れば洪水になる、と身に感じて知っていた時代でした。大学進学にあたっては、雨が降っても水害にならないような国にしたいと思ったものです」

(中略)

-今、改めて東日本大震災大津波の教訓は何か。
「一番の心得として、われわれは自然のことをほとんど知らない、ということを前提にすることです。地球の歴史は50億年、人生50年、これを比較すると人の1秒が地球の2.5年ほどでしかない。だから、人が25年測って分かったとしても、人を10秒診察した程度にしか過ぎません。何が起きても、その全てが分かるはずがない。人間、10年一昔と言います。30年も経てば、世代が変わってしまい、人はどんどん忘れていってしまう。忘れてしまうことが一番の問題点で、どのように繋いでいくかが重要になります。津波は一つずつ違い、同じ津波でも場所によって異なり、わずかな経験から判断すると大怪我をします。津波対策の三原則は、高い所に住むこと、地震があれば高い所に避難すること、海岸に近い建物は浸水を覚悟することで、この3つは次世代へと繋いでいかなければなりません」